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【社会】

民主・前田衆院議員 マルチ業界から1000万円

2008年10月14日 夕刊

 民主党の前田雄吉衆院議員(比例東海)が代表を務める2つの政治団体が、マルチ商法(連鎖販売取引)業界から2007年までの5年間に少なくとも1000万円の講演料や献金を受け取っていたことが分かった。前田氏は業界を支援する議員連盟の事務局長を務め、04年から毎年、国会で業界擁護の質問をしていた。

 講演料や献金を受けていたのは、前田氏が総支部長を務める「民主党愛知県第6区総支部」と、同氏の資金管理団体「未来政策研究会」。03−07年の政治資金収支報告書によると、業界の政治団体「ネットワークビジネス推進連盟」(東京都)と複数のマルチ業者から、合計で講演料770万円と寄付260万円を受け取っていた。

 講演会は07年までの4年間に少なくとも21回開かれ、講演料は1回10万−90万円。1年間に前田氏を3回招いて110万円を支払った業者もいた。

 3年間で150万円の講演料を支払った浄活水器販売会社「ドリーム・オブ・トータル・コミュニケーション」(東京都港区)は、「簡単にもうけられる」などと虚偽の説明で勧誘したとして、07年11月に経済産業省から3カ月間の業務停止命令を受けている。

 前田氏は民主党議員で03年につくられたマルチ業界を支援する「健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟」の事務局長に就任。マルチ商法について「一部の悪徳業者は厳格に取り締まり、良い業者は育てる」を持論とし、04年3月から4年連続で衆院予算委員会分科会などで業界に関する質問をしたほか、「日本経済の“救世主”となる流通システム」などと推奨する著書も出版している。

 前田氏は14日午前現在、中日新聞の取材に応じていない。

 【マルチ商法】 商品の購入者が新たな販売員となって次の購入者を開拓する販売法でネットワークビジネスとも呼ばれる。経済産業省の3年前の調査によると、業者数は約290社で市場規模1兆1000億円。金銭配当だけを目的にした「ねずみ講」と異なり合法とされている。ただし、目的を告げない勧誘や強引な勧誘などは特定商取引法違反となり、同省は昨年、4件の業務停止命令を出している。

 

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