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ヒトの皮膚から万能細胞、再生医療に画期的成果 京大チームが成功 (2/2ページ)

2007.11.21 01:53
このニュースのトピックス病気・医療

 山中教授らは、マウスで成功した技術を応用して成人の皮膚細胞に同じ4つの遺伝子を導入し、ヒトの万能細胞を作ることに成功。「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)と改めて命名した。タンパク質を作る主要な遺伝子が、ヒトES細胞とほぼ一致し、肝臓や心筋、神経、筋肉など約10種類の細胞に分化できることを確認した。

 米ウィスコンシン大などの研究チームも20日の米科学誌「サイエンス」(電子版)に、胎児などの皮膚から作った類似の万能細胞を発表した。

 今回の成果は、脊髄(せきずい)損傷や糖尿病、心臓病など多くの病気で再生医療への応用が期待される。患者と同じ遺伝子を持つ臓器細胞を作れるため、薬の効き目や副作用の診断などにも役立つ。

 山中教授は「再生医療というマラソンのゴールが見えてきた。10年以内に実現できるだろう。今後は研究体制の充実と適切なルールづくりが必要だ」と話している。

     ◇

 中内啓光・東大医科学研究所教授(幹細胞生物学)の話 「(体細胞クローン羊の)ドリーに匹敵する非常にすばらしい世界的な研究業績だ。ES細胞の倫理的、技術的な問題をクリアでき、理想的な再生医療の実現につながる。腫瘍(しゅよう)の可能性など安全性が課題だが、実用化までに10年もかからないだろう。今後は何らかの研究指針が必要かもしれないが、ES細胞のような厳しいルールはいらないと思う」

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