小林市・高原町・野尻町の合併協議会で、合併後の高原町立病院(国民健康保険高原病院)の経営形態を巡り小林市と対立している高原町は10日、後川内地区を皮切りに住民説明会を始めた。日高光浩町長は、小林市提案の指定管理者制による公設民営化について「医師確保が困難になる。法的にも問題だ」と述べ、公立での存続を求める考えに変わりのないことを強調した。
後川内小体育館であった説明会には住民190人が出席した。日高町長は「指定管理者制度の導入は突然の、想定外の提案だ」と説明した。そのうえで、現在の町立病院スタッフで医療法人を設立し指定管理者とする--との小林市の提案について「医療法は、指定管理者になることだけが目的の医療法人の設立を禁じている」との見解を示した。
住民からは「大事な問題がなぜ今ごろ出てくるのか」「ほかの町には指定管理者が撤退した例もある」などと公立の存続を求める意見の一方、「合併をしない方向なのか」と協議の破たんを懸念する声もあった。
日高町長は閉会後、「現状存続を求める意見が多かった。町民の思いを実現できるよう、協議の場で粘り強くお願いしていく」と話した。説明会は16日まで5会場で開く。住民の意見を集約し、21日の首長会で結論を伝える。【木元六男】
毎日新聞 2008年10月12日 地方版