千葉県松戸市立病院(藤塚光慶院長)は10日、急性呼吸不全で入院した市内の男性患者(76)に気管チューブを挿入する手術で、のどを電気メスで切開する際、先に挿入されていた別のチューブが燃え気道や口内、顔に重いやけどを負わせたと発表した。男性は危篤に近い状態。高温の電気メスが酸素供給中だったポリマー樹脂製チューブに触れたか、接近して発火した可能性があるという。
病院によると、男性は9日に別の病院から搬送された時、口から気管チューブが挿入されており、人工呼吸器で濃度100%の酸素を必要とする状態だった。10日午前、救急部の男性医師(27)がのど仏の下から新たなチューブを入れる手術をしたところ、切開部から高さ10センチほどの炎が上がった。すぐに火を消し焼けたチューブを取り出したが、重いやけどで呼吸不全の症状が悪化した。
日本臨床麻酔学会の学会誌ホームページによると、電気メスによる燃焼事例報告は国内で複数あり、気管チューブは酸素濃度40%以上で火花に引火する。【長谷川力】
毎日新聞 2008年10月11日 東京朝刊