2008.10.11 Web posted at:  11:48  JST Updated - CNN
ビジネス

節約するより使った方が――「後悔しない買い物」で米研究

ロンドン(CNN) 世界的な経済不安が叫ばれ、財布のひもを締める消費者が目立つなか、米経済学者らが「浪費の勧め」ともいえる研究結果を発表した。消費者にとって「悔いの残る買い物」を調べたところ、節約するよりも気前良く金を使った方が、後悔の少ないことが分かったという。

研究に取り組んだのは、米国を代表する経営大学院の教授2人。ハーバードのアナット・キーナン氏と、コロンビアのラン・キベツ氏だ。「一時の衝動や誘惑に打ち勝つための自制については、社会学、心理学、経済学の分野で多くの研究が報告されてきた。だがこれとは反対に、『長い目で見よう』と心がけるあまり、自制心が働きすぎて後悔することもある、というのがわれわれのテーマだ」と、キーナン氏は説明する。

両教授はこのテーマに沿って、いくつかの研究を試みた。たとえば、57人の対象者を無作為に2つのグループに分け、「とても気に入った高価な服」と「あまり気に入らないがもっと安い服」のどちらを買うか迷っているという想定で、一方のグループには10年後に、もう一方のグループには翌日に、どちらの選択を後悔するかを予測させた。その結果、10年後の心境を予測したグループでは翌日組に比べ、「安い服の方が悔いが残る」と答える人が目立ったという。

教授らは続いて、同じグループに実際に買い物をしてもらい、その後抜き打ちで、買った品物がそれぞれ「実用品」と「ぜいたく品」のどちらに属するかを尋ねた。すると、先ほど10年後を予測したグループの方が、ぜいたく品を気前良く買っていたことが明らかになった。「消費者に高級品を売り込む時には、10年後に振り返ってどう思うか考えてみて、と促すことによって、その気にさせることができるはずだ」と、キーナン教授は説明する。

こうした傾向は買い物だけでなく、休暇の過ごし方にも当てはまるという。教授らは別の研究で、大学の在学生と、40年後の同窓会に集まった卒業生に、冬休みの過ごし方を後悔しているかという質問を投げ掛けた。在学生は2つのグループに分けて、それぞれ「去年の冬休み」と「今年の冬休み」について質問。その結果、「去年」組では「今年」組に比べて「仕事や勉強ばかりで旅行に行かなかったことを悔やんでいる」とした人が多く、卒業生ではさらに、学生時代の冬休みを振り返って「もっと楽しめばよかった」と後悔する声が多数を占めたという。

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