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宮川市長、医師会と道立紋別病院に陳謝〜「一次救急は本来、市が担うべきもの」と
(10月10日付け)
 11月からの体制が未定のままになっている紋別市の夜間・休日の一次救急について8日、宮川良一紋別市長が紋別市役所で記者会見を行った。宮川市長は、一次救急は本来は市が担うべきところを、これまで紋別医師会と道立紋別病院による「救急当番輪番制」で維持してきたことについて「誠に遺憾であり、お詫び申し上げます」と陳謝した。記者会見には紋別医師会の小林正司会長、道立紋別病院の及川郁雄院長も同席。小林会長は「これまで市からはっきりとした説明がなかったが、こうして反省を示したことは高く評価したい」と述べた。11月以降の救急体制については、今後、市と医師会が協議していくことになる。
 一次救急は市が行うべきものであるとして、医師会側が、行政の責任を明確化する意味で、合同の記者会見を開催するよう要望していた。
 紋別医師会は、市の要請を受け昭和54年から夜間・休日の一次救急を担ってきた。しかし医師の高齢化などで輪番の維持が困難になり、平成9年には、医師会が市に対して夜間・休日の急病センターを設立するよう求めた。これを受け市は道立紋別紋別病院の一次救急体制の強化も含め検討し、関係機関に要望。しかし道も医療スタッフの確保が難しかったことなどから、道立紋別病院における一次救急体制の強化や、市による急病センター設立などについては立ち消えとなっていた。
 会見で宮川市長は、こうした経緯を振り返りながら「今日まで、医師会および道立紋別病院のお力添えにより、一次救急体制を維持していただいていることや、市民にご心配をおかけしたことに対し、誠に遺憾であり、お詫び申し上げる」と陳謝した。
 さらに宮川市長は「今後は、医師会などと協議し、紋別市の一次救急を構築していきたい」と決意を述べた。
 医師会では市に対して、一次救急の委託業務に関する救急搬送のルールや財政支援など4点について要望していて、今後、市はこれらについて協議しながら、11月以降の救急体制の継続を目指していく。
 来年4月以降は、市が何らかの救急センター的な機関を整備したい考え。
 宮川市長は「医師の公募も進めているし、場所の確保なども含めて協議している。財源的には厳しいが、市民の生命を守ることなので、捻出していきたい」と述べた。

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