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2008/10/13

そう簡単に景気は良くならない

日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日 (光文社ペーパーバックス) 日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日 (光文社ペーパーバックス)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2002-12-05

さて、世界を席巻している金融恐慌なんだが、株はまだ買い時じゃないのか? 為替相場はどうなる? そんな疑問に、オフィスマツナガさんちのエントリが答えてます。専門誌にも書いてるらしいライターさんなんだが、コッチの方が当たるよw 専門誌では最初に結論ありきで、その結論に沿った原稿を書かなきゃならなかったりするからw




 10日の海外市場はドル/円が100円半ばへ上昇した。しかし、週明けのアジア市場は出足から円高に振れ、99円前半から半ば付近で取引が始まるとみるべき。

 さらに問題は、その後に続く景気悪化。早期に金融危機を封じ込めないと景気への下振れ圧力が強まり、これによって新たな不良資産が発生する。その分の財政負担は大きくなる。つまり、ドル暴落が現実化する可能性もある。これは、来年とみる。

 日本株専門のヘッジファンドはほぼ壊滅状態。年内は海外勢の日本株買いは期待できない。
当面、ドルは多少安いくらいで推移するらしい。おいら「10円くらい下がる」と言ったんだが、その頃は105円前後だったので95円くらいというのが当面の底値だろう。ドルの価値は下がっているんだが、現物は不足しているので暴落まで行かない。ある意味、ドルは「決済通貨」としての機能を失っているわけで、長期的には暴落もありうる、というところか。で、
週明けは、株安・円高継続・・・・・
株価の節目は、7500円。

だそうです。まぁ、コレだけ下がったのでもっと暴落する事もなさそうなんだが、といって騰がる材料も皆無です。そんな中、
米モルガン・スタンレーは緊急に救済が必要-ソロス氏がFTに寄稿
  10月12日(ブルームバーグ):投資家ジョージ・ソロス氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)への寄稿で、米証券大手モルガン・スタンレーは緊急に救済する必要があるとして、米財務省は同社の優先株を購入して三菱UFJフィナンシャル・グループの出資を保護するべきだとの考えを示した。
というNEWSが流れている。財務省の公金出動がないと、三菱UFJの出した9000億円は
落ちるナイフを素手で掴むという結果になるようで、まだまだ先は見えないです。それより問題なのは、
現在勃発しています金融戦争は『アイスランドと英国』間ですが、【英国】は反テロ法を発動し【アイスランド】の銀行口座を凍結しており、【アイスランド】は英国民の口座を凍結し預金保護を英国民には及ばないとしているのです。

どちらもどちらですが、ただこのようなことが世界中で起これば世界の金融市場はガタガタになり、株式は売り合戦となり底抜けすることもありえます。
Nevadaさんちなんだが、アイスランドと英国が金融戦争おっぱじめたらしいw 日本も考えないとなぁ。とりあえず米国債が紙切れになったら米軍基地を差し押さえするか? 原子力空母は幾らで売れるだろう。で、金融戦争はアイスランドだけじゃないようで、リビアがスイス銀行に預けた7,000億円の金融資産を全て引き揚げると発表したりしているわけだ。
今、【UBS】のプライベートバンク口座から物凄い資金が流出していると言われていますが、ここにきましてスイスが【リビア】と喧嘩状態に陥り、石油輸出も禁止となっており、スイスフランは今後アラブ世界から売りを浴びせられれば急落することもありえ、スイスのプライベート銀行が崩壊する事態に陥るかも知れません。

アラブの暴れん坊と言われた【リビア】ですが、この混乱した世界金融市場でまた名を高めることになるかも知れません。
まぁ、コレがアイスランドだとかリビアだとかその程度の話なので大事にはならないが、アメリカだ、中国だ、日本だと、規模のデカい国が同じ事を始めたら、もう、完全に世界経済は崩壊です。で、これからどうなるの?
 さて、 アメリカはいよいよ末期的状況になっている。GMがクライスラーを吸収合併するが、いずれ、フォード自動車もこれに加わり、三社が合併するのではないか。アメリカ国営自動車産業が誕生し、政府の統制下に入る。GEはスタンドアローンで何とか生き残る。

 ポールソンは、総額7000億ドルの「バズーカ砲」を「不良資産」の買い取りではなく、銀行の資本増強に使うと決めたようだ。不良資産の買い取りよりはマシな政策だが、これで株安が収まることはない。

 デレヴァレッジが終わるまで株安は続く。つまり、80年代初頭の数字まで株安が続く可能性が最悪の場合にある。金融革命はこの頃始まったからだ。バブル的な金融商品を使うことは、これから出来なくなる。FRBがそれをさせなくするのだ。

 これが、FRBの統制を外れて暴れ回っていた、投資銀行という形態を解体していくという、ニューヨーク連銀のティモシー・ガイトナーやジェラルド・コリガンのNY連銀プリンスの「構造改革計画」(ヴェルナー風に理解すればこうなる)だろう。
まぁ、単純に言ってしまえば
統制経済です。政府が自動車会社を作って、2サイクルの段ボール製乗用車なんぞ作って、年収300万以上の国民はコレを買わないと死刑!とかやるわけだ。自動車労働者は全員、公務員になってウハウハです。もちろん、そんな車、輸出なんか出来るわけがない。世界的に輸出も輸入もほとんど停止し、世の中はグローバリズムからローカリズムに大きく舵を切ります。金融工学なんて言葉は死語になります。で、アメリカ経済は再生するのか?
しかし最近の住宅ローンは証券化されてどんどん他に売り払われてしまって、纏めて細かくきざまれてCDSを付けて販売されてきた。細かく刻まれているからファンドの内容が分からず、サブプライムローンの焦げ付きが出だすと、ファンドの中身が分からないから買い手は一斉に手を引いてしまった。これがアメリカが自慢した金融工学の正体だ。

これをさらにレバレッジをかけて、借入金でファンドを膨らませて運用したから、上手く行っている時は高利回りだが、損を出すと膨大な損金になってしまって、損害は清算して見ないと分からない。だから欧米の金融機関はかなりの長期間業務を停止して、手持債券を清算して損を確定しないと公的資金の注入をしても再建はむずかしいだろう。

アメリカはそのような困難を伴う金融機関の再建に長期間取り組めるのだろうか? むしろアルゼンチンやロシアのようなデフォルトして債権を凍結させてしまうかもしれない。いわば国家的徳政令ですが、日本はドル債券を放棄する事になるだろう。そうなればユーロ債券も危ない。そして唯一信用が出来る国際通貨は円だけとなり、円が唯一の国際通貨になる可能性もある。米ドルは二度と信用されずにアメリカは南米化して慢性的インフレ国家になるだろう。
今日は多少リバウンドしているようなんだが、長期的にはアメリカが心を入れ替えてマジメになるとも考えにくいので、結局、アメリカはアルゼンチン・タンゴを踊る事になりそうです。

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