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2008/10/12

F1日本GP2008@富士スピードウェイが情報工学的な意味で相当すごかった

去年の富士スピードウェイで行われたF1日本GPの惨劇をご存知でしょうか。

ネット上では結構話題になり、↑のようなサイトが作られるほどに「ヒドい」状況でした。なにが酷いって、運営がヒドい。写真や動画を見ればすぐにわかると思いますが、本当にひどかったです。

私は、2007年の去年、初めてF1観戦をしてきました。

決勝レースはたしかに雨で不満はありましたが、生であのエンジン音を聞くことができて、大変感動しました。が、まあ帰りのバスは雨の中3時間以上待ち、もううんざり。私は運が良く3時間程度で済みましたが、私が23時に家に着いた後もバスを待っている方がいたそうです。

で、今年。

そうはいっても、やはり生であの音をもう一度聞きたいし、なによりF1すごく好きなので、あまり迷うこともなくチケットを取り、観戦してきました。

そして、そこで驚くべき姿を目の当たりにしたのです。

あまりに感動したので、今日はそのことをとにかくブログにレポートを書こうと思います。


バスの並びと誘導

一番感動したものを最初に説明w

まず、去年、なにが問題になっていたかを説明します。ちなみに私は西のバス乗り場を利用していたので、西のバス乗り場しかしりませんが、多分どこもこんな様子だったと予想できます。

てけとーな図で説明すると、こんなかんじです。

f:id:sotarok:20081013041014p:image

つまり、一箇所からの出入り、各乗り場にズラリと列になって並び、その乗り場に入ってきたバスに乗る、という単純な仕組みでした。

結果、空いたバス乗り場に入ってくるバス、乗せたから出て行こうとするバス、帰ってきたのに入れないバス、客を乗せたのに、外にバスが列をなしているため狭くて出られないバス、Uターンをするバスそれぞれがカオスな状態に入り混じり、どうにもこうにも動けない状況になり、雨の中3時間も4時間も5時間も6時間も待たされる状況が生まれたわけです。


それが今年はなんと、こう。

f:id:sotarok:20081013041013p:image

バスはあらかじめきちんと整頓されて(?)ズラーっと並んでいて、乗り場で人数を集めたら、スタッフが1人その集まった人たちを、次に発車できるバスまで連れて行き、乗り次第出発、という形になっていました。(紫のフキダシが一番重要!)

これにより、行列をなして待つという状況がなくなりました。

その上、すぐバスに連れて行ってしまうため、多少バスが混んでいても、寒い中待たされることはなく、バスに乗り込むことができます。このため、そもそも行列が発生しない→列の場所の確保がほとんど必要ない→バスをたくさん待機させていられるという好循環がうまれているような気がしました。

ちなみに、すべて時計で計測していたのですが、バスに乗るまでに待たされた時間20秒*1、バス乗り場を出るまでが約5分*2、バス乗り場から自分の車の止めてある駐車場までが約35分*3、計たったの40分強で駐車場まで着くことができました。

これには本気で感動しました。

すげー流れているきちんと整列されたバス


バス乗り場のゲートと行き先と座席

そして、去年、バス乗り場はたしか2箇所あったと思います。またてけとーな図。(細かいところは違うと思うけど多分こんなかんじ)

f:id:sotarok:20081013041016p:image

私は西のほうのゲートしかしらないので、西のゲートの話になりますが、どこから来た人も、どこへ行く人も、バス乗り場への出入り口はたった1つ、どの座席へ向かうにもひとつのゲートを通らなければいけませんでした。

私は、ダンロップコーナーの向かい(図で言うちょっと緑んとこ。今年はこの席はなくなった)にいたのですが、例に漏れず、多くの人の流れと合流し、ゲートまでぐるっと周り、それからバス乗り場で自分の行き先のところまで歩いて行く形でした。

どうにしても、ゲートがひとつのなので、そこで砂時計のような現象がおこり、人があふれ、流れはとまってしまいます。表彰式が終わりインタビューを見てから席をたった私たちは、ゲートのまでの道の途中で人の渋滞にぶちあたりました。


で、今年がイメージではこんなかんじ。

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今年は、行き先によって、乗り場の近いほうのゲートに誘導されました。たとえば、私は須走の駐車場だったので、図で言う左のほうのゲートから行きましたが、河口湖方面(多分去年富士急方面で一番長い列ができてたところ)などは右のゲートが入り口となっていました。

バスの行き先によって、同じバス乗り場でも違うゲートから出入りできるようになったため、人の流れも分散されスムーズに流れていました。


その他の細かい気配り

バスの改善以外にも、細かい改善が色々とされていたので、メモ。

喫煙所の配置場所

こちらも去年かなり嫌だといってる人が多かった(mixiF1コミュニティとか見た感じ)ポイントですが、去年の喫煙所は、トイレの目の前にあったため、行列に並んでいる人は必然的に煙を浴びなければいけないという状態でした。

今年は喫煙コーナーが別の場所に設けられていたため、このようなことがありませんでした。私のように、煙が嫌いな人にとっては、これは結構キツいことでしたので、これは嬉しい変更でした。


ゴミ置き場にスタッフの方がいる

エコキャップゴミ箱(ペットボトルのキャップだけを集めるゴミ箱)が設置されているときいて、「良い試みだけど、うまくいくのかなー?」と思いながら行ったのですが、(私の見た)すべてのゴミ置き場にスタッフさんが常駐していました。

スタッフさんたちは見ているだけでなく、ゴミを持っていったら受け取って分別して入れてくれるのです。*4

これはすごい。


スタッフ一人ひとりが堂々と仕事をしていた

これは本当に完全な主観ですが、去年よりも断然スタッフさんたちの自信があったと思います。

去年は、バスに誘導する人たちも、「なんでバスこないんだ」といった、状況を全然把握できていなくて自信もなくて自分の仕事はここにいることだけだからそれ以外にはできなくて・・・のような空気だったのですが(そう見えただけかもですがw)、今年は自分の仕事や状況をきちんと把握して、道の案内やバスへの誘導を行っていた気がします。

こう、自信をもって案内されると、案内される側としても何か頼もしいなあと感じるものがありました。

そして、明らかに去年よりも人数が多く、案内が行き届いている感じをうけました。

きっとかなり練習をしたのではないかな?と、誘導されていて安心感がありました。


トイレの数や配置もそれなりに

去年はどのトイレを見ても常に列ができていたように感じたのに、今年は、さすがにトライバーズパレードと決勝の間とか、そういった時間の区切りには列ができてはいましたが、それ以外の時間帯にはあまり列を見ませんでした。

また、女性用トイレが去年よりも多く設置されていたと思います。


食べ物の値段が下がっていた&食べる場所が増えていた

去年は丼モノも麺モノも一律1000円で冷めてて(雨のせい?)まずくて・・・という状況でしたが、今年は焼きそばなど500円で買えるものもあり、カレー豚丼も800円で買えました。

そのうえ、去年は雨だったから確かにみんなテントの下に入りたがった、というのはありますが、テントはかなりカオスで、人が入れず、みんなテントの前で立って食べていた、という雰囲気がありましたが、今年はフジプラザにも大きなテントが設けられ、結構座って食べている人もいました。


応援旗は自由

まぁこれは去年は規制されていて、トヨタの旗だけ注意されない!?問題が発生した話ですが、これにはかなりの苦情があったらしいですね。

で、今年はもちろんこういった規制はありませんでした。それどころか、スタッフさんが「応援旗を振るのは自由ですーマナーをまもっていっぱい振りましょう!」(細かくは覚えてないけどこんな内容)とアピールする姿も見えました。


プロの仕業だ!

たしかに、各所で話題になり、大問題になった2007年開催初年だったので、少しは改善してくれるかな、とは思っていました。

が、ここまでカンペキにやってのけるとは、ハンパない!!

たった1年で、問題とされていた部分の大部分がこれほどまで改善されるとは。どう考えてもプロの仕業です本当にありが(r

思ったのは、いくら事前に練習やシミュレーションをおこなったのであろうとは思いますが、そうはいっても、10万人以上の動員でここまでカンペキに運用できるだなんて、これはとんでもないことです。そしてバスの運用計画や、上で述べたような策は、おそらくまじめに研究したら1年で研究が終わるかどうかなんてわからない、多分、モデル作るだけで1年くらいかかっちゃいそうな(てきとーな目算w)気がします。


とはいえ

バスがあまりにうまく運用できすぎて、その後駐車場から出てインターに向かうところや、高速に乗ってからメチャメチャ渋滞したというw

まぁ、10万人以上があの1点に集まり、いっせいに帰りだすのだから、これはある意味しょうがないのでしょう。

去年はそもそもあの会場から出ることができなくてちょびちょびと出されていたのであまり渋滞がおこらなかったのかな・・・w

ま、休みの日に東名が混むのは常ですが、それに上乗せ、という感じですかね。足柄あたりをこえてからから横浜町田を超えるまでずーーーっとノロノロノロノロしてましたよ。はぁ疲れたw


最後に

2008富士に観戦に行かれる方へ

観客の激減、微妙な改修など、

昨年よりも改善された部分もあるかもしれませんが、

過酷な環境であるという覚悟と装備で望んでください。

トヨタの富士スピードウェイF1グダグダ運営 - トップページ

と書いてある @wikiによるまとめですが、これは大きな予想違いでしたね。

これは全然微妙な改善なんかじゃない、大改善ですよ!

やればできる子だったんですね。トヨタさん。

スタッフさん、バスの運転手さん、お疲れ様でした。本当に快適な観戦ができました。

2010年も楽しみにしてます!


写真とか載せてます。バス乗り場もたくさん写真とりました。:

マイマップでつくってみた:


大きな地図で見る


余談

なんでここまでこれに感動したかって、私がOR分野の研究室に所属する情報工学専攻の学生だから、というのもあるのでしょう。それで、このタイトルになりましたw

トヨタの回し者でも関係者でもなんでもないですよん。

一番言いたかったのは、情報工学的に、OR的に、この最適化政策をやってのけたというのは、相当にすごいな、と、そこに感動したのですが、図を作ったりしてたら色々そういうのを伝え忘れた気がするw

*1:私が先頭だったので、バス乗車人数分数える時間ですね

*2:さすがにちょっとバスで道が混雑していました。しかし、交通整理のスタッフが大量にいたため、うまくさばいているように見えました

*3:行きの、バスの列ができずに空いている時間帯で25分でした

*4:ほら、あれです、マックお盆をもってゴミ箱に行ったときに、たまたま店員さんがゴミの片づけをしていて、「あ、やっておきますよ」という雰囲気でお盆をうけとってくれるような、あんな感じw

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