【ワシントン=米山雄介】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)など複数の米メディアは12日、三菱UFJフィナンシャル・グループが米金融大手モルガン・スタンレーへの出資条件を巡り、米財務省も交えて再交渉していると報じた。約21%の出資比率は維持するが、全取得株式を利回りの高い年間配当10%の優先株とし、低い価格で普通株へ転換可能な条件をつけることなどが交渉の争点となっているという。
同紙によると、米財務省はモルガンへの公的資金注入は考えていないとしているが、将来資本注入に踏み切った場合、三菱が先に購入した優先株の価値が下がらないように三菱側は日本政府と共に保証を求めているもようだ。
米メディア報道について、ワシントン訪問中の永易克典・三菱東京UFJ銀行頭取は同日夕、日本経済新聞の取材に対し「ノーコメント」と繰り返した。同じくワシントン入りしている三菱UFJの畔柳信雄社長は同日夕に予定されていた同社の公式行事への出席を取りやめた。(10:19)