10日早朝に日本原子力発電東海第2原発(東海村白方)の放射性廃棄物処理施設内から発煙したトラブル。高温で溶けた金属の放射性廃棄物がなぜ床に飛散したのか。原因究明が焦点になるが、村消防本部が火災ではないと判断したため、日本原電の内部調査に委ねられる。県や村も立ち入り調査などは行わない方針。
日本原電によると、施設は06年3月に稼働した。1年前の点検では正常を確認していた。一時煙が充満した室内の床にはただれたような跡が確認され、高温で溶かした金属の低レベル放射性廃棄物が容器から床に飛散したことが原因とみている。
容量150リットルの容器には約110リットルの廃棄物が入っていた。作業員は、建屋2階の溶融炉から1階の冷却室へ向かって、容器を乗せた昇降機が通常より速く降りたことを確認しており、反動で容器から廃棄物があふれ出たとみられる。昇降機は高さ2・5メートル。通常は1分50秒かけて1階に降り、速度調整はできないという。
日本原電は、10日中は室内を立ち入り禁止とし、温度が下がるのを待って現場確認をする。【八田浩輔】
毎日新聞 2008年10月11日 地方版