「通貨スワップに韓国など新興国の参加必要」
姜長官がG20特別会合で主張
韓国政府がドル資金確保に向け全方位的な外交戦を繰り広げている。米政府に通貨スワップを提案し、米ウォール街の金融機関には韓国の金融機関に対するドル流動性支援の強化を要請した。
11日(現地時間)にワシントンで開かれた主要20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)の特別会合に出席した韓国の姜万洙(カン・マンス)企画財政部長官は「米国に通貨スワップを要請した」と語った。米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)に必要に応じてウォンを預け、代わりにドルを受け取る安全装置を設ける狙いがある。米国はドル紙幣を刷る基軸通貨国であり、米国と通貨スワップ協定を結べば、韓国が非常時にドルの流動性を確保する最も確実な手段となる。米FRBは先月29日、世界金融市場でのドル枯渇を防ぐため、欧州中央銀行(ECB)、カナダ、英国、日本、オーストラリアなど八つの中央銀行と通貨スワップの限度額を2900億ドル(約29兆2060億円)から6200億ドル(約62兆4400億円)へと拡充した。しかし、通過スワップの対象から韓国をはじめとする新興市場国は除外されている。
韓国の通貨スワップ申し入れに対し、米国は難色を示しているという。企画財政部関係者は「FRBが通貨スワップの対象として認定したのはその国の通貨が国際金融市場で通用する国々で、韓国はまだその水準に至っていない」と述べた。
韓国と通貨スワップ協定を結べば、ほかの新興市場国ともバランスを取らなければならない点も米国が反対する理由の一つだ。
米国との個別交渉で通貨スワップが困難となった韓国政府はG20レベルで米国との通貨スワップを進める戦略を同時並行で進めている。姜長官は11日のG20財務相特別会合で「先進国間で行われている通貨スワップの対象に韓国など新興市場国が含まれるべきだ」と提案した。しかし、韓国が個別に米国との通貨スワップを申し入れた事実は、韓国の外貨事情が悪化しているシグナルととらえられる恐れがあり、為替相場に悪影響を与える可能性もある。
韓国政府はまた、シティグループ、モルガン・スタンレーなど米ウォール街の金融機関に韓国企業の現地法人や韓国系金融機関へのドル融資を積み増すことを要請した。
このほか、韓中日プラス東南アジア諸国連合(ASEAN)による800億ドル(約8兆570億円)規模の共同基金設立、国家信用格付けの改善、韓国の株価指数のMSCI先進国指数組み入れに向けた努力も並行して進めている。韓中日プラスASEAN共同基金が創設されれば、韓国の外貨準備高が拡大する効果がある。また、信用格付けの改善やMSCI先進国指数組み入れが実現すれば、外国投資家の韓国株に対する投資が増え、外貨流動性を高めることができる。しかし、韓国政府の努力はまだ目に見える進展がないままだ。共同基金創設構想は実務レベルの協議にとどまっており、先進国との通貨スワップは相手国の壁にぶつかっている。
金起勲(キム・ギフン)記者
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