合コン「席決め」:奈良の学生ベンチャーがシステム開発

 合コンの参加者のなるべく多くが、不公平なくそれぞれの好みの異性の近くに座れるように席を決める計算システム「ザ・セキガエ」を、奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)の学生ベンチャー企業「ホープフル・モンスター」が開発した。既にお見合いパーティーで活用され、カップルも誕生。男女の赤い糸を結ぶ手助けをするシステムとして評判を呼びそうだ。

 同大学院情報科学研究科博士課程の黒岩将さん(28)と、修士課程の武田康臣さん(24)が開発。異性と出会う機会が少なく、独身者が多い研究者の現状に危機感を持ったことがきっかけだった。

 仕組みは(1)参加者に番号を割り振る(2)参加者が近くに座りたいと思った相手の番号を第1~3希望まで選び、自分の携帯電話のメールで「ザ・セキガエ」に送信(3)全員の希望に最も近い席順をサーバーが数学の「組み合わせ」を応用した情報処理学を使い計算(4)数秒後に携帯メールに座席表を返信する。

 男女5人ずつが横一列に向かい合って座る場合、約100万通りの席順があるが、98%以上の確率で第1~3希望の異性が自分の正面に座る席順をはじき出せる。男女15人ずつまでならこの確率を維持できるという。好みが1人に集中するような場合は、希望に添えないこともある。

 京都府内の商工会が先月主催した30代中心のパーティーでは、男女36人中、7組のカップルを誕生させた。

 今後、合コンで誕生したカップルの事例を基に、どのような組み合わせなら相性が良いか、性格や趣味などのデータを蓄積。登録会員の中から独自の方法で相性の良い会員を選び、合コンを開くサービスも検討している。代表取締役の黒岩さんは「いい出会いをプロデュースしたい」と話している。

 問い合わせは同社(0743・72・5617)。【泉谷由梨子】

毎日新聞 2008年10月11日 15時00分(最終更新 10月11日 15時00分)

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