古川康・佐賀県知事(50)が8日、長崎大経済学部(長崎市)で学生約500人に講義し、その中で長崎、佐賀両県の合併を唱えた。「(合併すれば)人口231万で全国16位、焼き物は2位、ミカンは3位。長崎は首相を輩出したことがなく、佐賀は国立公園がない。補完できる」とし、道州制も含めた再編の必要性を強調した。
古川知事は立命館大などで講義経験はあるが隣県・長崎の大学での講義は初。旧自治省の官僚だった99~03年、長崎県に出向していたことから、長崎大が呼び掛けた。
古川知事は両県合併について「市町村が合併し、省庁も再編した。都道府県だけ今のままはない」と強調。さらに、九州新幹線西九州(長崎)ルートや西九州自動車道を引き合いに出し、「1県だけのメリットでなく、ネットワークを考える時代」とした。
一方、両県で対応が割れる国営諫早湾干拓事業については「有明海の再生を願うのは長崎も一緒。事実を明らかにし、協力し前に進みたい」と潮受け堤防開門に理解を求めた。【錦織祐一】
毎日新聞 2008年10月9日 西部朝刊