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【テロ指定解除】米の専門家は「反対」 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:北朝鮮核問題
【ワシントン=古森義久】米国のブッシュ政権が北朝鮮のテロ支援国家指定を解除したことに対し、米国政府でかつて北朝鮮問題を担当してきた専門家2人が11日、産経新聞とのインタビューで、いずれもこの解除措置やその根拠とされる米朝間の検証をめぐる合意が不適切だとして反対する見解を明らかにした。
チャック・ダウンズ氏
テロ支援国家指定解除はきわめて無謀な措置であり、その根拠とされた検証関連の枠組みも含めて論理にあまりに反している。
国務省主導の最近のブッシュ政権はとにかく外交面、とくに北朝鮮核問題に関して何かを成し遂げたという「成果」を誇りたいあまり、譲歩や妥協を重ね、北朝鮮にいかに最小限でも、何かを受け入れさせることに腐心してきた。
今回の合意でもブッシュ政権は北朝鮮の核兵器開発計画の全体像を無視している。どこにどのような核物質があり、核ミサイルの配備がある、という諸点を把握しているとは思えない。それなのに北朝鮮に最大限の報奨を与えてしまった。
北朝鮮はいまも韓国にスパイや刺客を送りこみ、脱北者の暗殺をはからせている。これだけでもテロ支援国家の要件は十二分だ。しかも金正日総書記の消息も明確ではない。
こんな時期に米国政府が貴重な同盟国・日本の拉致事件の解決努力を痛めつける形で、「北朝鮮はテロ国家ではない」という手続きをとることはあまりに不適切だといえる。
今回の検証枠組みは、基本的には米側が北朝鮮の言辞に依存することが前提となっている。北朝鮮の言葉がいかに現実の行動とはかけ離れているか、これまでの実際の行動や考察により、あまりに明白だろう。
■チャック・ダウンズ 先代のブッシュ政権や現ブッシュ政権の国防総省、国務省で北朝鮮核開発を含む朝鮮半島問題を担当