梅干しとは・・・・
梅干しとは、梅の実を塩漬けし、天日で干して乾燥させた食品。
梅を食べる習慣は奈良時代に中国から漢方薬として伝わったもの。当時は熱や腹痛に効くとされていた。
やがてそれが日本独自の「梅干し」に形を変え、保存がきくため戦場でも重宝され、江戸時代には庶民の食卓に欠かせないものになった。
梅干しには、クエン酸が豊富に含まれており、胃腸の働きを活発にしてる効果もある。


6月下旬 梅収穫・水洗い・塩水につける
梅雨の晴れ間をねらって、梅を収穫する今年の梅は、いつもにも増して実りが多く、村の各所合わせて、2kgの梅を収穫することができた。
収穫した梅を、孝子さんが持ってきて下さった芋洗い棒を使って、水でよく洗い、梅についたうぶ毛やゴミなどを落とす。

<芋洗い棒とは・・・>
孝子さんの家に代々伝わる棒で、孝子さんが自分の母親から受け継いだもの。
普段は、じゃがいもや里芋を洗うのに使っている。桶に芋を入れて水を入れこの棒を回転させ、かき回す。そうすると芋と芋とがこすれあって、効率良く洗える。

梅を綺麗に洗い終わったら、梅の実をむらなく熟した状態にするため、塩水につけて1週間置いておく。
タライに入れた沢山の梅に、塩をなじませながら水を張る(塩水は梅に対して6%程)。

7月上旬 塩水漬け終わり・土用干し始め
塩水に漬けて1週間後の梅の様子を見てみると、緑の色素は分解され薄くなり、梅は黄色へと追熟していた。
黄色くなった梅を味見してみると、全然すっぱくなく、白ぶどうのような味がした。これは酸味が塩水に溶け出したため。
梅の酸味がしみ出したこの汁は、最後の漬け込みに使用するので、このまま保管しておき、黄色に追熟した梅を土用干しする。
土用干しは、日光と夜露を交互にあてることで、果肉を柔らかくする昔ながらの知恵。土用の強い日差しを利用して干すことから土用干しと言われている。
そんな土用の強い日差しを利用して、梅を3日間干すことに。


7月中旬 土用干し終わり・漬け込み
土用干しから3日が経ち、梅の色も黄色からうすい赤色に変化し、しわしわの状態になった。表面のしわは、適度に水分か抜けた証。
さっそく、梅干しづくりには欠かせない赤じそを収穫し、漬け込む作業に入る。
まずは、干した梅干しを、殺菌し柔らかくするためにお湯に1分ほどつける。
次に、収穫した赤じそと塩と保管しておいた塩水を揉んで梅汁を作る。
梅の鮮やかな色は、赤じその「シソニン」と梅の「クエン酸」が反応した色。また、赤じそには「ペリルアルデヒド」という香り成分も含まれており、この成分には殺菌効果もある。
すり鉢の中で、干した梅と梅汁を混ぜ込み瓶に入れる。
最後に外からの雑菌侵入を防ぐため、蓋塩をかける。
ここから、2〜3ヶ月ぐらい熟成させる。



9月中旬 熟成・味見
3ヶ月熟成した梅干しを、瓶から出して味見してみる。
実が柔らかく、酸味もまし、とてもおいしい梅干しになっていた。
この梅干しのクエン酸効果を利用し「鮎の梅煮」を作った。
骨まで食べれるくらい柔らかい仕上がりとなった。



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