2008年10月09日 22時56分
新聞記者の記事が、それでいいの?
毎日JPで、Googleストリートビューの問題が記事になっている。まあ一度リンクの記事を読んでいただいて、戻ってきていただきたい。
読みましたか。さてここの中段のちょっとしたあたりに出てくる「市民団体」というのは、MIAUの事である。タイトルが「ストリートビュー問題を考える」となっているが、日程も一致するし、これは我々の「Googleストリートビュー“問題”を考える」シンポジウムであることは間違いない。
我々としては、消費者団体と名乗ったことはあるが、市民団体とは名乗ったことはないので、勝手に市民団体扱いされたことはちょっと心外であるが、それはまあ我々の活動範囲がまだ小さいので、そう思われても仕方がないかもしれない。
以前主婦連にご挨拶に伺ったときにも、消費者団体というのは主婦連のように米の問題物価の問題全部扱うもので、皆さんのやっているのは市民団体では? と言われたことがある。まあそういう違いがあるというのならば市民団体と言われても仕方がないのだけど、我々も扱う問題が広汎になってくることで、ちゃんと消費者団体と言って貰える日が来るかもしれない。
こう見えても我々、ちゃんと関係団体には雁首揃えて挨拶に行ってるんですよ。なにもネット上だけで強がってるわけじゃないんですよ。
いやそれはそれとしてだ、この記事中に出てくる主婦連の河村さん、専修大の山田先生のコメントって、このシンポジウムの中の発言そのまんまなんだよね。我々としては公開シンポジウムとして行なったものだから、その発言を記事にするのは問題ないのだけど。でもさ、このお二人の記者さん、ぼくらのシンポジウムには来てないんだよね。
えーと今事務局で確認したところ、いらっしゃってません。我々受付で必ず名刺を頂戴しているのだけど、毎日からはこのお二人とは別の記者さんのみ、お名刺をいただいています。
ではこの発言をどうやって引っ張ってきたのか。考えられるのは、我々がシンポジウムの内容として公開しているYouTubeとニコニコ動画の動画からだろう。これ編集したのって僕自身なので、該当のコメントもよく覚えている。休日を利用してしこしこと作業したものなので、せめてMIAUの名前出してくれるぐらいしてくれないと報われないよなー、とごくごく個人的に思う一方で。
新聞記者というのは足で歩いてコメントを拾って歩くものじゃないの?
僕もNHK時代に3年ぐらい報道局で編集をやってたけど、NHKの報道番組って記者だけでなくディレクターやアナウンサーも「記事」を作る。テレビだから「ニュースV」ということになるのだけど。
でもその中で、やはり記者が持ってきたネタというのは「オレたちはディレクターじゃねぇ、記者なんだ」というプライドとこだわりを持って、ものすごく時間をかけて追った丁寧な取材テープを持ってきたよ。それが「記者」というものだというのを、僕は目の前で見せて貰ったものなのだけど。
この記事にある落合洋司弁護士という方のコメントもどうだろうかと思って調べてみたら、これと同じ趣旨のものを雑誌の取材で語ったという、ご本人のブログにたどり着いた。8月19日のものである。
ということは、この記事中にある他人の発言って全部、ネットから拾ってきたということ? これらの発言部分ってこの記事中のキモとなる部分だよね。それで1本記事にしちゃうの? 新聞記者なのに?
比較するのはおかしいかもしれないけど、コラム書きの僕でも、合っても居ない人の拾ってきた発言を「記事の中心に据えて書く」なんてことはしないよ。ジャーナリストなら、自分で一次ソースに当たってコメント貰ってくるってのが、当たり前なんじゃないの?
読者諸氏には先走りしないで欲しいのだけど、「だから毎日は」という風にまとめないでいただきたい。僕の知っている毎日のS記者(ご本人の承諾を得ていないので匿名とさせていただく)は、MIAUの教科書プロジェクトを追いかけていただいているのだけど、僕個人、Googleストリートビューシンポ、MIAUの法人化記念パーティの都合3回、丁寧な取材をされて、1本記事を書かれている。
こういう、ちゃんと記者魂のある方もいれば、WEBのネタだからてきとーにネットで発言拾ってくればいんじゃね的に1本記事にしちゃう記者もいるということなのだな。それが社風と言ってしまえばそれまでなのだけど。
まあでも、毎日の記事は例の事件以降記名になったので、個人の責任が明確になっただけでも見通しが良くなったと言わないといけないのかな。
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