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大麻有害論(大麻=マリファナ カンナビス ハッシッシ)


※当項目では、ドラッグ=意識変容装置としての摂取物 という意味で使用している。

 ”科学の良心”といわれたカール・セーガンは、大麻の愛好家であることを晩年に表明し、世界からマリファナに対する誤認を無くすように祈っていた。カーゴ・カルトサイエンスなど疑似科学に批判的なエッセイを残しているノーベル賞物理学者のリチャード・ファインマンは、自分の脳が衰えることを恐れて禁酒した。 しかしマリファナは普通に喫煙している。当然だが、無害であるうえに、どうも人間にとっては有益なものだからであろう。
2004年の1月29日は、大麻解禁運動におけるひとつの記念日となった。イギリスにおいて大麻の非合法化―ランクCへの格下げ―が実現したのである。2004年中を目標にカナダも解禁に向かう予定である。オランダやスイスでは合法的に喫煙が可能である。アメリカでは医療用大麻 をめぐる論争が起きている。”無害かつ有用なのに違法だから使えない”という、医療倫理の問題に発展しているからだ。
 
 私には夢がある。大麻が解禁されたある祝日に、ゆっくりと、大量のポテチとコカコ−ラ、そして交尾相手を兼ねたかわいい女の子と一緒に、テクノを流したカラフルな ライトの部屋。翌日は仕事が休みで、ゆっくり落ち着いて、晴れ晴れと、そして堂々と水パイプで、部屋がもくもくになるほど大麻を喫煙するのだ。ふと外を歩けば、庭先で日曜大工に水パイプをつくるほほえましい親子の姿・・・私が生きているうちに 、そんな日が来ることを祈っている。

私は日本で大麻が合法化される日までは、ただ”違法だから”というだけの理由で、摂取も所持もしないだろう。昔は愛好していた。合法ならば今も週末の楽しみとして愛好しているであろう。

大麻有害論は国民に浸透しすぎた疑似科学の一つである

 日本ではお上が吹聴している大麻有害論という疑似科学が信じられており、お上はあえて科学的知見を無視している。意識変容装置はダメだから絶対にダメなのだ!という本当に非合理的な与太論法が流布しているのだ。アルコールは意識変容装置という意味では、紛れも無くドラッグである。 マリファナや殆どのケミカルドラッグよりも有害なのに合法である。わが日本においての大麻は、社会的な認知の上でも、法的にも違法とされている。まるで覚せい剤のように忌避されているのである。 その大麻有害論の浸透ぶりは、したり顔のバカ者が有害にきまっていると知ったかぶりをしても恥を掻かないですむほどである。とくに噴飯ものであるが「あたしの友達にも、大麻で体がボロボロになって、人生が狂った奴がいたよ・・・もう大事な友達を失いたくないんだ。大麻なんて絶対だめ」などと99.99999999999%確実なホラを吹くバカ者も少なくない。こういった逸話は、間違いなく知ったかぶりの空想であることが保証できる。というのも 、大麻はアルコールよりもはるかに安全であるし、大麻によって身体や脳に致命傷を負うことなどありえないからである。依存症なども明らかにタバコ以下なのは言うまでもない。「大麻中毒」という単語があるが、 そんなものはゲーム中毒や漫画中毒といったものと同程度の意味しか持っていないのである。余談だが、この○○中毒という単語 は鵜呑みにすると危険な単語である。悪いレッテルを貼るには便利だが、実はしょうもない定義があるのだ。たとえば、彼女と性交をしたいときにコンドームがない。そんなときに、貴方は服を着て、コンビニまでコンドームを買いに行ったとしよう。すると貴方は「セックス中毒」と呼ばれる資格を有するのである。ジャンプの早売りのために少し遠くまで深夜に買いにでかけるとき、貴方は「マンガ中毒」である。

 何よりも大麻は肉体への害がない。有史以来、呪術師から神秘主義者からアーティストからカールセーガンまで大麻を愛してき人類であるが、大麻によって死亡をしたなどという信頼に足る事例は1例もないのである(1例もだ!)この点 に関しては日本で2003年に違法化されたマジック・マッシュールとて同様である。加えるに、これらのドラッグにより体を害したという事例すら、鬱病 や統合失調症の悪化などであり、アルコールと比較してもよいならば、圧倒的に健康である 。

 大麻有害論を非難しなくてはならない深刻な理由もある。それは青少年の命と脳のために、である。つまり若年層のアルコールによる被害が問題となっているからこそ、大麻をポストアルコールにすることで、若者の命と健康をすくえるのである。アルコールではなくマリファナを代替品にすべきなのである。アルコールは毎年毎年死亡事故を起こしている 。もし居酒屋に大麻が常備されていれば、アルコールの変わりに大麻を喫煙する合法的な環境があれば、いったいどれほど尊い命が救えただろうか?

 むろん、精神に変容を与える以上、脳に作用しているのであり、1年間監禁して睡眠時間以外ずっと大麻を喫煙させれば、何か精神を壊すこともあるかもしれない(壊さない可能性もある)が、普通に週末にお酒を一杯やる程度の、まさにアルコール感覚で摂取するならば、本当に徹底的に全くの無害である。無論、禁酒運転が禁止なように、大麻運転も禁止すべきである。あくまでアルコールと同じ目線で用いることで、無害かつ安全かつ絶対的な利を強調できるの だ。※ちなみにオーストラリアの調査では、大麻運転での事故 が少ないことが報告されている。大麻は体感速度を向上させたり、人を平和主義者にするので、極端な安全運転になるからだと思われるが、いずれにせよ大麻運転で事故がおきると、過剰に悪者扱いされるので絶対に止めていただきたい。

ここで私が主張したいことは、大麻は、少なくともアルコールと同じような基準にするならば、100利あって1害なしということだ。にもかかわらず大麻を悪くいうことで、 そして違法のままであるからこそ、無知な連中にダーティなイメージを植え付けるし、結果的に暴力団の資金源にすらなっているのである。これは大麻有害論の 大きな弊害の一つであろう。

私はアルコールと大麻を同じ扱いにすることを熱望している。大麻の方が絶対に安全だからでもある。そしてより楽しいし、心に良い のだ。人を平和にするのだ。いずれにせよ大麻を違法とする合理的な理由は徹底的に皆無である。どういうわけか違法にしたがる頑迷な保守主義者のために大麻有害論という疑似科学が残っているのである。

 アルコールだと武勇伝になる罠

 事実上無害なドラッグや、アルコール以上に有害なヘロインなど、意識変容装置としてのドラッグにはいろいろある。しかし、特に日本では、アルコール以外は一緒くたにされる。何故かアルコールでは武勇伝なのが 特にやるせないのである。

意識変容装置としてのドラッグ全てにおいて、恐怖を煽るやりかたは無数にあるが、ひとまずは次の例で十分であろう。 繰り返すが缶ビールもカクテルバーも、アルコールは意識変容装置という意味でドラッグである。普通は武勇伝として語られるような酒豪の逸話でさえ次のようにアレンジして恐怖を煽ることができるのだ。

 お題:お酒を飲んで記憶がとぶほどぐでんぐでんにななったOL

 いかにも武勇伝になりそうだが、ぜひとも次のように理解していただきたい。

 ―現在大流行中のドラッグAを過剰摂取した患者の記録―

 オーバードーズ(過剰摂取)により意識が混濁。激しく嘔吐した後にその場で気絶し、意識不明になる。昏睡状態が続くが一命を取り留め 、数時間後には意識が戻った。しかし、意識が戻った後も食欲の減衰、不快感、頭痛などは残っていた。この状態で行った血液検査の結果は驚くべきもので、血中のアルコール濃度が、通常の10倍から1000倍を越えるほどであった。幸い大きな後遺症はなかったが、短時間の記憶の喪失などがあり、非常に危険な状態であった。また目に見えた障害にはつながらなかったが、脳細胞の不可逆的な破壊、肝臓への取り返しの付かない負担などは累積しており、今後もこのドラッグを常用し続ける限り、そのような肉体への 深刻なダメージは累積する。

 ドラッグAについての解説 

 このドラッグはヘロインと並ぶ強力な依存症を持っている。それも、覚せい剤やニコチンなどのような精神依存とは異なり、ヘロインやコデインのよう な、苦痛を伴う肉体依存である。現代では10代後半から80歳を越える老人まで、実に幅広い層でこのドラッグを嗜好 する者が見られる。また、身体への影響は個人差があるものの、肝臓
や脳へのダメージは特に深刻で 、非常に多くのケースで肝硬変の主原因となっている。

 さらにこのドラッグの恐ろしい点として、体質にもよるものの、人を酷く凶暴にする点も挙げられる。現代の日本において、普段は善良な一般市民が、街中で無謀にも力のありそうな若者に暴力をふるってしまう場合などは、ほぼ例外なくこのドラッグを摂取している状態で起きていることである。実際に中高年の男性が街中で暴力事件を起こす場合、その90%以上がこのドラッグを摂取しているときに起きているのだ。

 また、十代後半から二十代前半にかけて、このドラッグの過剰摂取による死亡事故は後を絶たず、日本国内だけでも毎年100例以上報告されている。さらに、 適量を摂取し続けようとしても、耐性が出きていくために、初めて摂取した頃の、数倍から数十倍の量を接し続けることになるケースも珍しくない。そのようにして常用を続け た場合、30代から60代に、このドラッグによる致命的な精神障害 に至ることもある。特に脳に影響が出た場合は、不可逆的な損傷(つまり回復不能)であるため、人生全てを精神病棟で過ごすことになる。これほど恐ろしいドラッグであるが、これによって苦しむ者は後を絶たず、被害者は年々増加している のが現状である。

 二次災害としては、このドラッグを摂取した場合に車の運転などをすることで起きる交通事故が典型である。実験では、適量よりもはるかに少ない量を経口投与で摂取した場合(濃度が5%しかない液体を、グラス一杯飲んだ程度で)自覚症状が殆ど出ないにも関わらず、著しい反応速度の低下が確認されている。つまり信号が赤に変わった場合に、あるいは急な判断を要する場合に、停止するまでの時間が1秒近く遅くなるのである。当然、普段ならば回避できたものでも大事故に繋がるわけである。

このドラッグは現在も合法であるが、かつてアメリカでは違法だった時代もある。しかしあまりに需要が多く、密売業者が儲かりすぎるために、アメリカは渋々と合法化せざるを得なかったという歴史がある。

 どうだろう?それでも私は別にアルコールを違法化しろとは思っていない。 どんなに恐ろしく書いたとしても、現実に多くの人が上手く付き合っているからだ。一方で大麻はどうだろうか?アルコールは真に有害性が強いのでこのように恐怖を煽る ためには、デメリットをそのまま書けば容易である。しかし、大麻のように無害なものでさえ、全文に「可能性がある」という一言を付け足すだけで恐怖のドラッグに仕立て上げることは可能である。某省庁の「ダメ絶対」では、大麻の主要成分THCを「これが元凶である」などという、科学とは無関係な価値観を付与した言い回しすら採用している。そのような言い回しをすることが、上述の”アルコールというドラッグの恐怖”と同じように、悪い印象を与えるために小細工を弄していることが見て取れるだろう。また「だめ絶対」では、大麻の弊害として「気管支炎」などの喫煙方法に起因する影響を取り上げているが、水パイプを使うなどして摂取方法を工夫すれば回避できることに過ぎない。大麻の害ではなく喫煙方法の害である。そういったものを持ち出さなければ批判できないほど 、大麻は無害なのである。

  さて、大麻有害論は紛れもない疑似科学である。倫理的な憤りすら感じるほどである。だが、世界中の解禁運動を通して十分に議論されているものであるから、ここで私がピーチク騒ぐよりも、Web上にある大麻に言及し た膨大な日本語サイトで、私が 推奨するサイトを紹介しておこう。

 大麻の歴史 
資料も多くよくまとまっている。まず一読されたい。

 世界の大麻合法化の動き 
このような現実を日本人の何人が知っているであろうか。ちなみに、日本のある省庁の「だめ絶対」という疑似科学サイトでは「大麻は世界中で違法とされている」などとい った2秒で判るウソが書いてあった。

 医療用大麻を考える会 イギリスではこういった結論が出ている。

 非犯罪化への道 まったく同意である。

 大麻の作用に関する研究報告 1998年6月17日 共同通信ニュース速報

 マリファナの科学 科学的マリファナ研究の文献紹介

 大麻関連記事 こんな記事も ある。

 週間法律新聞など 権利と倫理と法という観点から大麻法の非合理を説く。

 一応 大麻有害記事 ちなみに私が鑑別所でいちんばん苦しんだ中毒はタバコだった。

 

    大麻有害論を支える疑似科学論法 ―ゲート・ウェイ理論―

医学的、科学的なデータが、こぞって大麻の無害性を証明してきている。本来は、そこで認識が変わるべきであるが、大麻有害論者は実にトンデモさんである。 客観的には大麻有害論が崩れている現状、アンチ大麻論者と化した連中は、ゲートウェイ理論という疑似科学的理論をひねりだしたのである。(まるで創造科学者 が「進化論は熱力学の第二法則に反する」というのや、あるいは反悪魔崇拝のために、存在しない悪魔教団を相手に戦うファンダメンタリストと酷似している)

 「なるはど、大麻だけなら問題ないが、大麻をやるとより強い刺激を求め、覚せい剤やコカイン、ヘロインへと入っていく危険があるんだ。だからやっぱり禁止しないとまずいよ」

 というのがゲートウェイ論者である。しかし、これまた統計的な根拠は全くない。例えば実際に覚せい剤中毒者が効き方としては最も強力な部類に属するトルエンやアルコールに依存するということ もない。とはいっても、 効き方ではなくイメージ的に、大麻→覚せい剤というのが飛躍だと考えているのかも知れない。いずれにせよ、そもそも大麻の合法化を廻る海外の研究で調査された結果、保守派の期待とはうらはらに大麻経験とジャンキー化には相関などない ことが判明しているのである。また、大麻が合法化されれば、大麻→覚せい剤(やコカイン)といった非合法ドラッグとのイメージ的な接点もなく なるわけであるから、ゲートウェイ理論は大麻解禁を価値あるものとするだけであろう。私は英文を読めないので、詳しくは専門サイトを参照されたい。

ただ、補足をしておくと、全てのお上がアホウというばかりではない。日本でもやや認知は変わったと思しき判例が何年も前から存在している。大麻を自分用に栽培していた大麻愛煙家が20g所持で逮捕された事件があったが、その裁判において、裁判官の見解など は非常に興味深い内容であった。

[判事の主張/要約]
アルコール・タバコといったより有害で中毒性の強い薬物が認められるなか、科学的・医学的にも無害といわれる大麻が禁止されていることは、大麻を嗜好する者にとってはやるせないことであり、同情の余地はある。しかし現行では違法行為であり、また精神的に変容をもたらすものでもある以上、継続的な使用が全くの無害であるかは証明されているわけでもない。
[※実際にweb上で探せばこの記録は、現在でもどこかに出ているであろう]

という寛大な判決であった。

なにより大麻は、精神的に豊かさをもたらすものであり、芸術の発展や、コミュニケーションツールとして、まったくネガティブな要素はない。

 最後に、偉大なる懐疑論者―我等がカール・セーガンによる、マリファナ体験記を再度紹介して当項目を終わりとする。

  カールセーガンが語るマリファナ体験記 

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