大麻有害論を支える疑似科学論法 ―ゲート・ウェイ理論―
医学的、科学的なデータが、こぞって大麻の無害性を証明してきている。本来は、そこで認識が変わるべきであるが、大麻有害論者は実にトンデモさんである。
客観的には大麻有害論が崩れている現状、アンチ大麻論者と化した連中は、ゲートウェイ理論という疑似科学的理論をひねりだしたのである。(まるで創造科学者
が「進化論は熱力学の第二法則に反する」というのや、あるいは反悪魔崇拝のために、存在しない悪魔教団を相手に戦うファンダメンタリストと酷似している)
「なるはど、大麻だけなら問題ないが、大麻をやるとより強い刺激を求め、覚せい剤やコカイン、ヘロインへと入っていく危険があるんだ。だからやっぱり禁止しないとまずいよ」
というのがゲートウェイ論者である。しかし、これまた統計的な根拠は全くない。例えば実際に覚せい剤中毒者が効き方としては最も強力な部類に属するトルエンやアルコールに依存するということ
もない。とはいっても、 効き方ではなくイメージ的に、大麻→覚せい剤というのが飛躍だと考えているのかも知れない。いずれにせよ、そもそも大麻の合法化を廻る海外の研究で調査された結果、保守派の期待とはうらはらに大麻経験とジャンキー化には相関などない
ことが判明しているのである。また、大麻が合法化されれば、大麻→覚せい剤(やコカイン)といった非合法ドラッグとのイメージ的な接点もなく
なるわけであるから、ゲートウェイ理論は大麻解禁を価値あるものとするだけであろう。私は英文を読めないので、詳しくは専門サイトを参照されたい。
ただ、補足をしておくと、全てのお上がアホウというばかりではない。日本でもやや認知は変わったと思しき判例が何年も前から存在している。大麻を自分用に栽培していた大麻愛煙家が20g所持で逮捕された事件があったが、その裁判において、裁判官の見解など
は非常に興味深い内容であった。
[判事の主張/要約]
アルコール・タバコといったより有害で中毒性の強い薬物が認められるなか、科学的・医学的にも無害といわれる大麻が禁止されていることは、大麻を嗜好する者にとってはやるせないことであり、同情の余地はある。しかし現行では違法行為であり、また精神的に変容をもたらすものでもある以上、継続的な使用が全くの無害であるかは証明されているわけでもない。
[※実際にweb上で探せばこの記録は、現在でもどこかに出ているであろう]
という寛大な判決であった。
なにより大麻は、精神的に豊かさをもたらすものであり、芸術の発展や、コミュニケーションツールとして、まったくネガティブな要素はない。
最後に、偉大なる懐疑論者―我等がカール・セーガンによる、マリファナ体験記を再度紹介して当項目を終わりとする。
カールセーガンが語るマリファナ体験記