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IT革命が日常生活にまで浸透した現代においても、科学では証明できない不思議な出来事は数多く存在します。宇宙人、幽霊、超能力、都市伝説……そんな世界にみなさんをご招待いたしましょう。唐沢俊一が厳選した5つの怪異譚を懐かしの「ラジオドラマ」形式にてお楽しみください。IT時代になぜかラジオドラマ。これもある種の不思議な出来事、かも? |
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脚本・演出/唐沢俊一 声の出演/唐沢俊一・島優子(うわの空・藤志郎一座) 音声収録/上林天
※これらの物語はすべてフィクションです。実在の人物・団体名などとは無関係です。
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世相講談[談志の主張」を語る 意見は意見でおしまいになってませんか。正直、小泉さんに文句や批判を言ってもなんの効果もない気がする -05.11.08 | | 垣根涼介「真夏の島に咲く花は」 山本周五郎賞、吉川英治文学新人賞などエンタメ系文学賞5冠に輝く新鋭が、恋愛小説に初めて挑んだ! -05.11.03 | | 雑学のすすめ〈6〉アルハンブラ宮殿の美 清水義範&西原理恵子の面白雑学エッセイ。シミズ教授のうんちくにサイバラ画伯の鋭いツッコミが炸裂する! -05.11.01 | | 豪氏力研究所 波瀾万丈の生い立ちからあの名作の誕生秘話、創作の秘密など、漫画家・永井豪初の自伝的エッセイ。 -04.10.06 | | | |
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情報化時代の波に乗り、我々の脳には日々さまざまな情報が、知識として蓄積されている。ただし有益な知識はごくわずかで、大半は何の役にもたたない、無益な知識でしかない。しかし、無益ならまだいい! これからお伝えする情報は、人生の喜びや楽しみや感動を確実に何割かカットするとんでもなく有害な知識としてあなたの脳にこびりつくものなのである。
覚悟は……よいかな? |
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人は何故か、死というものをロマンチックで夢幻的なものと思いたがる。自殺者などにときにそういうカン違いをする者が多く、これが本人にも他人にも迷惑をかける原因になる。
たとえばガス自殺。部屋の中でガス栓をひねれば、あとはベッドに横たわったまま、だんだん意識が薄らいでいって……などという優雅な死に方は残念ながら当節では不可能だ。なぜなら昨今の都市ガスは、昔のような石炭ガスではなく、中毒の原因となる一酸化炭素の含まれない天然ガスだから、いくら吸ったところで中毒死はできない。酸欠で苦しみもだえ、あまりの苦しさに灯りをつけようとして、その火花でガス爆発を起こしたりする。迷惑この上ない。爆発で楽に爆死できるならいいや、と思う人もいるかも知れないが、これまた人間、そう簡単には死ねない。全身やけどを負って生き残ったりして、醜くなった姿と長い痛み、苦しみと闘わねばならない。神様は意地悪で、死にたいと思うような人間ほど、長く生かしておくものなのだ。
「なかなか死ねない彼岸花さく」 (種田山頭火)
さて、今日は読者の皆さんに、知らなきゃよかった“死ねない話”をお教えしよう。
伝説のひとつに、“一度死刑に失敗した囚人は無罪放免となる”というのがある。無罪ではないにせよ、死は免れて無期懲役などになる、といまだに信じている人が多い。ちょっと考えれば、死刑の執行とは“囚人を刑により死に至らしめる”ことで完了するのだから、死刑の失敗とは、いまだ“刑が執行されていない”状態に過ぎず、刑が減軽されることなどはありえない。事実、いくら殺そうとしても死なない受刑者も多いのである。
電気椅子による最初の処刑者として有名なのが、ウィリアム・ケムラーという男で、彼は雇い主の女性をオノで叩き殺した罪で、1890年8月6日に、ニューヨークのオーバーン刑務所で処刑された。ケムラーの身体に電流が通されたとき、すさまじい音がしたが、彼は死なず、失神して意識不明となっただけだった。仕方なく何度も電気を流すと、電極を取り付けた頭の部分の肉が焼けだし、ケムラーは昏睡状態で口からあわを吹き始めた。数回の電撃をかけた後、やっとケムラーは死んだ。
しかし、この悲惨な死に様も、翌年、シンシン刑務所で行われたマーティン・D・ロッピーという、51歳の妻殺し男よりはマシであった。1891年の12月7日、椅子に縛り付けられた彼の体に電流が流されると、その体はショックで椅子から飛び出しそうになり、苦痛で指の爪が手のひらに食い込んだ。理論上は15秒間、1750ボルトの電流を流すと、どんな人間も死亡する筈であったが、医師が調べるとロッピーの気管は開いており、口からは泡を吹いていた。再び電流が流されると、ロッピーはまたもや声を上げてもがき出し、突然左の眼球が飛び出して、胸のあたりまでブラ下がった。そして、全身の皮膚が焦げだして、煙が上がり出した。しかも、こんな状態でまだ、ロッピーは死んでいなかったのだ。3回目の電流が、今度は21.5秒間流され、やっとこの妻殺し男は神のもとへ旅立てたのである。
神はどうも、自分のもとに早く来させたい人間とそうでない人間を露骨に差別するようだ。アメリカ空軍で撃墜王と呼ばれたW・T・ホイッスナー大佐は第2次大戦及び朝鮮戦争で24機もの敵機を撃墜して3回も殊勲十字賞を授与された英雄だったが、1989年、ブヨに頬を刺されたショックでコロリと死んだ。かと思うと、ニューヨークの公園管理人ロイ・サリバンという人は、勤務中に7回も雷の直撃を受けた経験を持つが、軽いやけどを負った程度でけろりとして生きている。
手首の血管を切って自殺しようとする女の子は多いが、オハイオ州のある農場労働者の少年は、ある日耕作機械に巻き込まれて、両方の腕を肩の付け根から切り落とされてしまった。少年はそのまま歩いて自分の家に戻り、家族が出払ってしまっていたので、“残った骨を使って”自分で病院に電話をかけ、救急車を呼んだ。少年は一命をとりとめ、切り落とされた両腕をつなぐ手術も受け、成功して、また元の通り農場で働いているという。
医療関係者に聞くと、事故にあって運ばれた怪我人の看護をする者が怪我をすることがよくあるという。痛がって暴れる怪我人に殴られたりすることが原因だとか。実際、死にきれない人間というのは時に危険な存在となる。1990年、フィリピンのセブ市でエンリケ・キナノーラという青年が、首つり自殺をはかったが、失敗して病院に運びこまれた。しかし彼はそこをぬけだし、近くのレストランに乱入すると、調理場のナイフを奪って手首を切りつけた。それでも死にきれず、痛みと興奮でナイフを振り回して暴れ回るので、駆けつけた警官がピストルで彼の胸を撃ち抜き、絶命させた。エンリケの家族はこの警官を殺人罪で告訴したというが、果たしてこれは成り立つのか?
現代人はそもそも、なかなか死ねない。病院に入院すると、心臓に何本ものパイプをつながれ、医師がスイッチを切るまで、強制的に生かし続けられるハメになる。せめて、一瞬の苦痛だけであの世に旅立ちたいというのは、ぜいたくな望みなのだろうか。
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1958年北海道札幌市生まれ。カルト物件評論家。大ベストセラー『トンデモ本』シリーズを生んだ「と学会」の中心メンバー。執筆領域は古書・漫画・薬から落語・映画まで広範囲に及ぶ。どの分野でも「瑣末・無用な」「消費されてしまい残りにくい」知識やモノをあえてクローズアップし、独特の切り口で多くの支持者を持っている。学術誌からあやしげなオカルト本にまで至るその膨大な執筆ペースは独自かつ脳天気な日本文化史観を構成しており、その視点からTV番組「トリビアの泉」のスーパーバ イザーとして務めるなど、業界人にもファンが多い。パソコン通信の時代から現在にいたるまで、ネットの世界での活躍も知られている。『近くへ行きたい』(講談社)『切手をなめると、2キロカロリー』(サンマーク出版)『こんな猟奇でよかったら』(ミリオン出版)など。その精力的な活動の詳細は「唐沢俊一『一行知識』ホームページ」へ。
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