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元月組の娘役スター・千紘れいか、劇団四季「ライオンキング」で再出発


劇団四季「ライオンキング」で
女優デビューを果たした大平敦子

 元宝塚月組の娘役スター、千紘れいかが、本名の大平敦子として大阪・MBS劇場で上演中のミュージカル「ライオンキング」のヒロイン、ナラ役で劇団四季デビューを果たし、宝塚ファンの話題を集めている。

 宝塚でも花組時代にバウホール公演「サラン/愛」「チャンピオン」でヒロイン役を演じ、月組に組み替えになってからも中国公演などで実力派の娘役スターとして活躍していたが昨秋の劇団四季のオーディションに合格、「LUNA」宝塚大劇場公演の千秋楽である4月3日付けで宝塚を退団して四季入りした。

 劇団四季入団後、四季メソッドにそったレッスンを受けていたが、実力本位の劇団四季でも演出家浅利慶太氏の評価は非常に高く、異例の早さで大役のナラに抜擢された。6月下旬、東京公演に数回出演したのちメーンキャストとして大阪で本格的登場となった。

 大平が演じるのは成長してからのナラ。第2幕からしか登場しないが、「シャドーランド」というソロのビッグナンバーがあり、宝塚の娘役の発声とは違った圧倒的な歌唱力で、夏休みで満員の観客から大きな拍手を浴びている。自然で確実な演技も印象深い。

 「実力本位の場所で力を試してみたかった」と四季を目指したという大平は「男性と一緒の舞台はリアリティがありますね」とにっこり。新天地での舞台が「楽しいです」と、すっかりなじんでいるようだった。

 大平の出演は8月6日まで。以降は1週間ごとに発表される。(薮下 哲司)


《一口メモ》
 宝塚を退団して劇団四季に入団、活躍したスターとしては、かつて越路吹雪という大スターがいるが、以降、伊吹あい、優ひかり、沢千春(山田千春)、朱鷺のぼる(柴垣裕子)、草笛雅子らがいる。いずれもすでに退団しており現在は大平と宝塚で同期生だった関根幸枝(芸名・渓なつき)がいるだけ。関根は96年のオーディションで合格。「美女と野獣」「クレイジー・フォー・ユー」などに出演、現在は「コーラスライン」のジュディ役を演じている。




● 薮下 哲司(やぶした・てつじ) ●
大阪府生まれ。関西大学文学部仏文科卒。71年スポーツニッポン新聞大阪本社入社。77年文化部に配属、放送、音楽などを担当後、現在、特別委員として映画、演劇を担当している。宝塚歌劇は80年から担当、劇団発行の「宝塚グラフ」バウ公演評「歌劇」新人公演評を歴任。著書に「宝塚の誘惑」(共著)「宝塚伝説」「宝塚伝説2001」「宝塚歌劇支局」(青弓社刊)がある。05年、毎日文化センター(大阪)で「タカラヅカの魅力」講座を開設、07年から甲南女子大学非常勤講師に、宝塚講座を持っている。

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