傷害容疑で経営者らが逮捕された「丹波ナチュラルスクール」(京都府京丹波町)へ移送中の少年が死亡した交通事故で、両親がスタッフの運転手らに約4700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、京都地裁であった。池田光宏裁判長は「誰が責任を負うか認定できない」として運転手への請求を棄却、自動車損害賠償保障法(運行供用者責任)に基づき、死亡した車所有者の遺族に3700万円の支払いを命じた。
事故は05年5月15日、東京都江東区の首都高速湾岸線で発生。スタッフ3人が千葉県内の少年(当時15歳)をスクールへ移送中、側壁に衝突し、運転手を除く3人が死亡した。
両親は事故原因に無謀な運転を挙げ、運転手は「移送を嫌がっていた少年がハンドルを引いたため」と主張した。判決は、運転手の供述があいまいなことなどから運転手と少年の過失責任を共に否定。こうした場合、同法は運行者に賠償責任があると規定している。【熊谷豪】
毎日新聞 2008年9月25日 東京朝刊