●解散が来年になったら、この内閣は袋だたきにされる
官邸の“ぶら下がり記者”たちから、しつこく解散時期を聞かれる麻生首相がついにキレて、「聞いてこいと言っている上司はバカなんじゃないの。社はどこ?」とバカな発言をしたそうだ。言われた記者は民放テレビだったという。
だが、官邸詰の若い記者に解散時期を探らせるテレビ局幹部の気持ちも分かる。
「とにかく“選挙特番”の日程を決められず、どこのテレビ局もイライラなのですよ。スポンサーを集める関係で、準備には1カ月以上必要。さらにスタジオを押さえ、ニュースキャスターや政治評論家、売れっ子ジャーナリストも早く確保しないと他局にとられてしまう。だから、投開票の日を確定したいのですが、10月26日が11月2日にズレ、今度は11月9日だ、16日だと1週間単位で引き延ばされている。解散は来年だ、任期満了選挙だといった話まで出てきて、“いい加減にしてくれ”“早く決めてくれ”と、麻生首相への不満が渦巻いていますよ」(民放関係者)
これは大手新聞社も同じだ。総選挙シフトをスタートさせたため、投票日まで人事異動を凍結している社もある。だから大新聞も、連日のように「総選挙投票日」をぶち上げ、麻生首相の尻をたたいている。
「これ以上、解散をズルズルと引き延ばされたら、選挙事務所を建ててしまった候補者だけでなく、マスコミ全部が怒り出し、敵に回すことになる。年内選挙がないと分かったら、麻生首相以下の閣僚のスキャンダルを連日取り上げると息巻いている大手紙政治部もあるくらいです」(マスコミ関係者)
麻生首相は雪隠(せっちん)詰めになってきた。
(日刊ゲンダイ2008年10月9日掲載)