MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース: 経済・IT 金融・財政産業・ビジネスIT写真RSS feed

【主張】G7 早急に資本注入の実行を

2008.10.12 03:31
このニュースのトピックス金融危機

 先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が公的資金を使った金融機関に対する資本注入と預金保護の強化などを内容とする行動計画をまとめた。

 米国発の金融危機は世界的な株暴落を招き、不安が不安を呼ぶ「パニック売り」の様相を呈している。その危機意識をG7が共有し、米国をはじめ世界の金融システム安定に向け政策協調する。各国は速やかに行動計画を実行に移してほしい。

 今回のG7は危機の震源地である米国の資本注入が最大の焦点だったが、その実行に明確な意思が示された意味は大きい。

 米国ではリーマン・ブラザーズの破綻(はたん)後、金融機関が資金を融通しあう短期金融市場まで機能不全に陥った。そのため、金融機関から不良資産を買い取る金融安定化法を成立させたが、不良資産処理で棄損する資本を増強する手段が明確でなく、かえって金融不安を拡大してしまった。

 遅きに失したとはいえ、G7で金融システム安定化に向けた切り札ともいえる資本注入が約束された。ポールソン米財務長官も会見で「株式買い取り計画の標準化に取り組んでいる。幅広い金融機関を対象とする」と語った。

 問題はその計画を具体化し、いつ、どれだけの規模で資本注入するかだ。もはや、一刻の猶予も許されない。すでに、英国が一斉資本注入を決め、独仏伊などもその方向だ。肝心の米国が後れをとってはならない。

 預金保護の強化も重要だ。各国ばらばらでは、不安に駆られた預金者らが国境を越えて資金を移動させる。それが混乱に拍車をかけていただけに、預金者の不安解消に効果を発揮するだろう。

 金融危機の影響はすでに、中国やロシアなど新興国にも広がっている。今回、日本は新興国などに外貨準備を使って資金支援する緊急融資制度の創設を提案し、支持された。国際通貨基金(IMF)と連携して具体化を急ぎたい。

 ただ、こうした行動計画を市場がどう受け止めるかは予断を許さない。市場は言葉より実行を見ている。各国が必要に応じて適正な財政や金融政策もとることだ。

 繰り返すが、最も重要なのは米国だ。すでに金融恐慌一歩手前の状況にあり、実体経済にまで波及している。少なくとも約束した計画を速やかに実行しないと、危機の世界的連鎖も止まらない。

関連トピックス

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。