「お金」とは人間の欲望が姿を変えたものとの説が英国にある。おいしいものを食べる。旅行を楽しむ。居心地のいい家を造る。お金を使って欲望を満たす 健全な欲望が前提であり、欲には限りがないから、お金は天下を回り続ける。が、お金を貯(た)めこむ「欲望」が強い人もいる。往々にして、お金持ちにその傾向があると言えば、何とかのひがみになるだろうか 株暴落が続く。影響は消費に表れ、北陸でもデパート、輸入車、住宅市場などで高額品が売れない。豊かなシニア層も「守り一色」だと経済面にあった。ここはお金持ちの出番だろう。英国流に言えば「エリートには社会的責任がある」。貯めこまず、大衆の財布のひもが緩み始めるまでの牽引(けんいん)役を望みたい。無理な注文かもしれないが 経済危機の状況下で総選挙が近づき、減税案が具体化してきた。大事なのは、お金が循環することである。減税分を貯めこまれては減税の意味がない。ばらまきに終わらず消費拡大の呼び水になる減税策が求められるゆえんだ 使ってこそのお金。安心して使いたくなる社会づくりが政治の役割である。
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