「目指しています」「内定した」から「決定」に。一つ一つ階段を上り、ついに岡山市の政令指定都市昇格が閣議で決まった。来年四月一日に移行する。喜ばしい。
全国で十八番目の政令市であり、仲間入りをすれば、岡山市の知名度は高まり、観光や企業誘致に好影響を及ぼそう。注目されるようになれば、市民は自分たちのまちに誇りを持ち、魅力の再発見につながると期待される。
少々心配なのが、賛成39・0%という低い数字だ。山陽新聞社が今夏、岡山市民を対象にしたアンケートの結果である。賛成か反対か、どちらともいえないが53・5%と過半数を占めていたから、多くの人は政令市といわれても実感がわかないのだろう。
知っておくべきは、政令市になると県並みの権限と財源を持てることだ。行政基盤が強化され、主体的なまちづくりが可能になる。自分たちが主人公であり、行政と議会、市民が力を合わせれば一段と輝きを増すことができる。
岡山県知事選のさなかだ。候補者は、政令市になる岡山市との関係について大いに語ってほしい。県都の発展を県全体に波及させるために何が必要か。道州制を視野に入れた戦略も聞きたい。
政令市移行で満足することなく、飛躍への好機としなければならない。元気、勇気、やる気を出そう。