東京都町田市議会は10月9日、「Googleマップ」の「ストリートビュー」など、地図情報と写真を組み合わせ、その地域の画像を誰でも閲覧できるネットサービスについて、法規制の検討などを求める意見書を賛成多数で採択した。政府や関係機関に提出する。
意見書では、(1)住宅街の画像については、公開の適否について国民に意見を聞いた上で、事業者に対して指導する、(2)個人や自宅などを無許可で撮影し、無断で公開する行為を都道府県迷惑防止条例上の迷惑行為として加えることの検討、(3)必要に応じて法整備を行う――ことを国に求めている。
またストリートビューのようなサービスについて、国に寄せられた意見の実態調査などの現状把握や、ネットを利用しない国民への広報活動も要請した。
意見書は、ストリートビューの画像について「被写体となる地域や個人への事前告知も撮影告知も公開許可願いもなくネット上に公開された」と指摘。Googleが「人の顔は顔認識技術でぼかしている」と説明しているにもかかわらず、「人の顔が判別できるものや、車のナンバー、表札の文字が読み取れるものも少なくない」とする。
ユーザーが申し出れば、Googleは画像の削除に応じるとしているが、「そもそもインターネットを利用しない人に対し、自宅などが世界に公開されている現状が十分に行き渡っていない」と指摘する。
「見知らぬ土地を訪問する際や待ち合わせに便利」とメリットも紹介しながら、「空き巣など犯罪に悪用される危険性、子どもの通学路や教育施設などに防犯上の不安を生む」という意見を紹介している。
ストリートビューは、車に搭載した360度カメラで撮影した主要都市の街路の詳細な画像を、Googleマップから閲覧できるというもの。米国や欧州などサービスが始まっており、日本では8月にスタートした。
各国でプライバシー問題が指摘されており、米国では、自宅内の写真を撮られた人がプライバシーを侵害されたとして提訴した例もある。フランスでは、大通りや観光地の街路のみをカバーし、住宅街は撮影していない。
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