【ワシントン11日時事】米国務省は11日、北朝鮮の核活動に関する「多くの重要な検証手段」で同国と合意したと発表、ライス国務長官が北朝鮮のテロ支援国指定を解除したことを明らかにした。同国がテロ支援国のリストから外れるのは、1987年の大韓航空機爆破事件を機に翌年1月に指定されて以来20年ぶり。
米朝関係改善に向けた重大な一歩となり、膠着(こうちゃく)している6カ国協議の非核化プロセスが再び動きだす可能性が出てきた。一方、拉致問題進展のてこを失った日本は今後、厳しい対応を迫られる。
北朝鮮は、寧辺の核施設の無能力化を直ちに再開することに同意。米当局者は今月中にも検証計画の合意を文書化する6カ国協議の会合が開催されるとの見通しを明らかにした。
マコーマック国務省報道官によると、監視・検証手順合意に含まれるすべての措置は、プルトニウム基盤の計画とあらゆるウラン濃縮計画、核拡散活動に適用される。検証作業には、日本など非核保有国を含む6カ国協議の全参加国の専門家が参加でき、国際原子力機関(IAEA)は支援的役割を担う。
専門家はすべての申告施設に立ち入りでき、未申告施設には相互了解に基づき立ち入りできる。標本採取などを含む科学的手法の使用でも合意している。
マコーマック報道官は、拉致問題をめぐる日本の懸念に遅滞なく対処していくよう北朝鮮に強く働き掛ける方針を強調した。
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