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経済

<リーマン>破綻で派生商品9割消滅

10月11日22時3分配信 毎日新聞


 国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)は10日、破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズを対象にした「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」の清算価格が元本の8.625%に決まったと発表した。総額約4000億ドル(約40兆円)と見られる同社関連のCDSの価値が9割以上吹き飛んだ形で、保有する金融機関などにとっては打撃となりそうだ。

 CDSは企業向け融資や証券化商品が焦げ付いた際に損失を肩代わりする金融派生商品(デリバティブ)で、世界の大手金融機関や投資家の間で取引が急増。ISDAによると、今年6月末時点の取引残高は54兆6000億ドル(5460兆円)に達する。

 統計が未整備のため、リーマン関連のCDSをどの金融機関が、いくら保有するかは明らかになっていない。このため、金融機関同士が疑心暗鬼となり、短期金融市場でお金を借りられなくなる一因になった。また、金融機関が手元資金の確保に動き、保有株式を相次いで売却、株式相場下落を招いていた。

 市場関係者は「清算価格決定で損失額が確定するため、新たに破綻する金融機関が出る可能性がある。その一方、健全な金融機関も明確となり、不安が沈静化する効果もある」と指摘している。【後藤逸郎】

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最終更新:10月11日22時3分

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