次期衆院選で宮崎1区からの立候補を取りやめた中山成彬前国土交通相が8日、目の前の東国原英夫・宮崎県知事に「どうしても(衆院選に)出てもらわないと困る」と呼びかける一幕があった。東京都内で開かれた九州横断自動車道延岡線(熊本県御船町―宮崎県延岡市)の建設促進大会でのあいさつで、東国原氏は最前列にいた。中山氏の発言は事実上の後継指名宣言となったが、大会後、国政転身に未練を残す東国原氏も「あの場で言われても困惑する。考慮に値しない」と報道陣に苦り切った表情を見せた。
中山氏は、自身の国交相辞任から東国原氏の国政転身まで「自民党が(衆院選で)勝つため」に仕組んだ「自作自演のシナリオ」と表現。東国原氏に「とにかく出て、全国の(自民党)候補者のもとに行ってほしい」と要望し、小泉劇場ならぬ「東国原劇場になることを願っている」と語った。また、宮崎の道路建設を求める女性団体が7日、東国原氏に国政転身を要請したことについて「私が差し向けた」とシナリオの一つであると暴露した。
大会後、中山氏は、報道陣に対し、東国原氏の国政転身に反対する声について「出るな、出るな、と言うのは『反対勢力』」と切り捨てた。