春ー秋制か秋−春制か
現在Jリーグは春にシーズンを開始し、 夏の真っ只中もプレーをして、秋に終わるシーズン制をとっている。 逆にヨーロッパでは秋にシーズン開幕で、 冬もバリバリサッカーをやって春に終わるサッカーシーズンである。 このためJリーグもヨーロッパに合わせて 秋−春制に移行すべきという意見が多くある。
しかし、たとえば延長戦廃止などのようにサッカーファンの ほとんどが賛成してるわけでなく、 今のままの春−秋制を推す人も多い。 そこで今回のコラムはこのJリーグのシーズンについてである。
僕自身としては今のままの春−秋制を推す。 とりあえずメリット・デメリットを見てください。
まず現在の春−秋制
メリット・・・
●真夏はともかく、ほどよく暖かく、観戦しやすい。 ●夏休みなど長期の休みがあるので観戦しに行きやすい。 ●長年このシーズンでやっていたため、皆慣れていて、日本のスタイルにあっている。 ●雪降らないので練習も、試合もしっかり行える。 ●日本の高校、大学を卒業するのは春。そのため、新卒選手のクラブ入団がスムーズに。 ●ヨーロッパサッカーとシーズンが被ってないので 春−秋にかけてJを見て、秋−春にかけて欧州リーグ見る・・・というふうに、一年中サッカーが楽しめる。 ●FIFA開催の国際大会は夏に開催されるので、 シーズン中だからコンディションが整いやすい。
デメリット・・・・
●ヨーロッパと違うので移籍期間などで障害が。 ●日本人が海外移籍する場合、シーズン最初からでなく、 周りの環境にあわせにくいシーズン途中からの移籍。 ●もしくは1st stageをやったあと移籍となるのでコンディション面で厳しい。 ●移籍してくる外国人選手にしても、シーズン終わった後の獲得となるのでコンディション面で不安が。
●真夏の暑さがハンパじゃなく、選手のプレーの質が下がる。 暑さにぶっ倒れそうになりながらプレーしてるのは見てて可哀想になってくる。
●あまりに暑い日、蒸す日などは観客も応援・観戦が大変ツライ。 西京極とか、ビッグアイとかやばそうだよなー。 オランダのスタジアムでは暖房入ってるなど寒さ対策してるスタジアムありますが、(デ・カイプだっけ?) 夏の暑い日にクーラーいれようとしても、電気代が莫大でとてもムリ。 暑いのは対策しようがない。
次に秋−春制
メリット・・・
●そもそもサッカーは冬のスポーツ。 吹雪吹き荒れる中での試合は別として、暑くないのでプレーの質の向上。 選手の疲労の軽減がある。 ●ヨーロッパとシーズンが同じなので移籍がスムーズに、 Jクラブが外国人補強する際もスムーズにいく。 (特に海外で戦力外通告うけた選手などとりやすい) ●プロ野球とシーズンがかぶらないのでマスコミの注目も浴びられる。 ●天皇杯がリーグ中に行えるので天皇杯の格もあがる。 (現状では決勝戦の1月1日開催を動かすのは難しいため)
デメリット・・・
●とにかく真冬は寒い! 2003年のA3(アントラーズが優勝したやつ)覚えているだろうか。 あの極寒の国立が舞台だったゲームだ。 あまりの寒さにあの日以降しばらくは秋−春制を叫ぶやつはいなかったほど。 ようは寒さが身に染みたってことやね。観客が少なくなるぞ。 秋−春開催叫んでる人は全員、極寒の中でもちゃんと天皇杯を見にスタジアムへ足を運んでるのか?
●そのため観客数の減少が懸念される 実際に秋−春制導入し、雪のため見に行けない・寒いから出足が鈍る、 などにより観客ガタ落ちで、クラブの収入もガタ落ち。 クラブに大打撃くらった時のリスク考えればそう簡単に秋−春制導入はできない。 寒いから行きたくないという人に対し、 「その程度の熱意なのかよ」 と罵倒するのは簡単だ。 じゃあ、実際自分は現在と変わらない頻度で行けるのか? 自分によく問いかけてみよう。
それに、「行きたくない」じゃなくて「雪のために行けない」って人も沢山いるんだから。 自分の住んでいる地域と、東北地方のアクセス状況などは全く同じと考えている人多くないか? それでも秋−春叫ぶ人はよっぽど頭がまわらないか、 クラブの心配をしていないかどっちかだ。
●ヨーロッパでもロシアなど北欧はJリーグと同じ春−秋制 ピッチが凍結して試合できないせいです。 チャンピオンズリーグではムリヤリやってますが。 ピッチ上凍結してる中、まともなサッカーはできない。 「ヨーロッパは秋−春制」と言う人多いけど、ロシアやノルウェーなどの北欧はれっきとしたヨーロッパだよ・・・ その地域の気候に合わせて開催するのが当然なわけで、 ロシアや北欧のリーグ開催時期は妥当だろう。
●秋−春制に以降した場合、その移行した年はオフが膨大な時間になるか、オフがほぼゼロとなってしまう。 移行する時凄く大変です。どうするんでしょうか。
●ACLの存在、お忘れですか? 春〜秋に開催されるACL。 夏のオフの間、ACLを消化することになったら出場クラブ、実質オフないよね。 それにコンディション整わなくて今以上に惨敗するよね。
●仙台、新潟、山形、札幌などは冬の間でどうやって試合するんだ。 ガンガン雪降って、ピッチ上が凍結して試合できねぇ。 札幌は札幌ドームがあるのでできると思ったら、できないんですよ。 ドドさん、Marcoさんなどのご指摘により判明したのですが、
「札幌ドームのピッチは屋外で養生しますから、冬は雪の下に埋もれます。 このため春三月の開幕前はサポーターが総出で無償の雪割作業を行い、 ピッチを雪の下から “発掘” します。 そのため、真冬の開催など不可能なことがご理解頂けると思います。」
という情報が。 リンクを辿ると、確かに凄く大変そうな除雪作業・・・・・ これは札幌ドームといえど、絶対開催は不可能だ。
●上であげた4チームは練習もできない。 春−秋制なら、冬のオフのあいだ南米や暖かい地方へ遠征して練習できるが、 シーズン中に遠征して練習などムリだ。 札幌の柳下監督が「コンサは、地域上練習がしづらい」と、嘆いていましたね。
アルビサポのpoohさんより、
「アルビサポのものです。 私の自宅はスワンの割と近くなんですが。 私としては新潟での冬季開催は厳しいと思います。」
とのメールが。 で、そちらのサイトにビッグスワンの写真がUPされてたのだが・・・・・。
いきなりスタジアムに置いてあった 「落雪のため。立ち入り禁止」 の通行止め! これはぬるい脅しではなく、 積雪後、スワンの屋根から雪が落下してくるようだ。
死ぬぞ。
おまけに、その他にも冬開催ムリという状況がズラズラと。
・ 冬は風が強く、体感温度が下がりまくり。
・ ビッグスワンでは火気厳禁。売店での食事どないすんの?
・ 市外から足を運ぶ人も多い。 で、そのためには車。『雪かき』『雪掘り』『雪降ろし』をしなくてはならない。 それは非常に体力を使う。観戦しに行く体力が残っているのか?
・ アウェーの雪に慣れてないお客さんが雪で苦労し、 滑ってケガしたりする可能性が・・・・。
・ アルビ側も、駐車場に新潟市に積雪があった場合の除雪をしなければならない。 経費が・・・・・・。
・ なだれはメインスタンド側階段上り口、コンコース。 アウェイ入り口。S席階段上り口などと多くの場所で発生する。 つまり・・・・・観客の身の安全が保障できない。
ここまで問題点あるとは・・・・。 詳しく載せてくれたpoohさん、感謝です。 (リンクいつまで残っているかわかりませんが、こちら と こちらです 1月14日の日記参照。) 面白かったのは、 寒いのでホカロンを観客が装備しているため、
「誤審審判に向かって投げつけられるホカロンの山。 ありそうで苦笑。」
これは絶対あるでしょう(笑)
話ずれましたが、とにかく、 新潟でも冬季開催は不可能。
どうだろう。 やはり秋−春制、一番の問題は
ベガルタ仙台、モンテディオ山形、 アルビレックス新潟、コンサドーレ札幌の 4チームが冬に試合ができないこと。
これを解決しないかぎり 秋−冬制への以降は絶対ムリだ。 (ベガルタは可能か?)
さらに、東北地方、日本海側などでJリーグ入りを標榜するクラブがどれだけあるか。 現在Jだとこの4チームだけだけど、 数十年経てばさらに増えるのは間違いない。
秋−春制を叫ぶ人達は、 「今後、豪雪地方ではJリーグクラブ作らせないよ」 って言ってるのと同じだと思うのだが・・・・。 だって、秋−春になったら除雪作業、練習場の問題とかがもの凄い負担になるでしょ。
セルジオ越後氏などは散々秋−春制を叫んでるが、 一番肝心なこのことについては一切ふれず、 ただ秋−冬制を叫んでいる。 これでは困る。しっかり考えてくれ。
冬季の間は中断期間にする? それって結局夏のオフが短くなって選手に疲労がガンガン溜まると思うのだが。 中断期間はシーズン中だから思いっきり休むことはできないし。
冬季の間は東北のチーム、全てアウェー開催? いやいやいや。 だから、練習もできない状況でリーグ戦続けるのはおかしいでしょ。 どれだけハンデ負うんだよ。
こういった冬季開催の問題解決するのにどれだけ労力がかかるのか。 それに対し、一体どれほどの恩恵を受けることができるのか。 天秤にかけてみれば今のままが妥当だと個人的には思う。
誰かこれについていい解決策あったら教えてください。 |
(UP日 05年1月29日 リニューアル 06年7月25日)