エサに集まってきたシンカイクサウオ=1日午前0時30分ごろ、東京大海洋研究所提供
東京大海洋研究所などのチームは10日、深さ7700メートルの「超深海」にすむ魚の映像を公開した。これまでに撮影された中で最も深いという。
茨城県沖の日本海溝の水深7703メートルの海底に先月末、英アバディーン大と共同で調査機器を設置。えさのサバに寄ってきたところをビデオカメラでとらえた。オタマジャクシのような形で、大きいものは30センチ以上。カサゴ目クサウオ科のシンカイクサウオとみられるという。
超深海は光が差さない漆黒の世界。水温1.5度、水圧は地上の700倍以上という過酷な環境にもかかわらず、活発に動き回る姿が同時に17匹も映っているシーンも。超深海魚は極めてまばらに生息し、ほとんど動かないという「常識」を覆す映像だ。
チームは「やな」というわなで3匹を捕獲。海洋研の西田睦所長は「遺伝子などを調べ、どうやってえさのありかを知るのか、低水温の中でなぜ活発に動けるのかなどを突き止めたい」と話した。