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大麦も宇宙環境でストレス ISSで28日間栽培

2008年10月6日13時39分

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写真宇宙で育った大麦=IBMP提供

 植物も宇宙環境でストレスを受ける――。岡山大資源生物科学研究所やロシア科学アカデミー生物医学研究所(IBMP)などのグループが、国際宇宙ステーション(ISS)で栽培した大麦を調べてわかった。11日から滋賀県彦根市である日本育種学会講演会で発表する。

 杉本学・岡山大准教授(細胞分子生化学)によると、大麦「はるな二条」を06年8月31日から28日間、ISSのロシア実験棟にある植物栽培装置で育てた。3日目に発芽を確認、実験期間中に高さ50〜60センチまですくすくと育った。

 ところが、地上へ持ち帰って遺伝子を解析したところ、活性酸素などを除去する抗酸化酵素の遺伝子の発現量が、地上で温度などを同じにして栽培した大麦より2〜9倍も多くなっていた。微小重力や宇宙放射線といった宇宙環境が、大麦にストレスを引き起こしたとみている。ただ、育ち方は、地上の大麦と差がなかった。

 杉本准教授は「大麦は稲や小麦より乾燥などに強く、宇宙環境でも生きのびる可能性が高いと考えている。致命的レベルのストレスを受けているのではなさそうだが、長く栽培した場合の影響は、これから調べたい」と話している。(米山正寛)

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