ここから本文です。

2008年10月10日

アメリカにならって「どうやって危機を乗り切るか」をテーマに総選挙を

日経平均株価が取引開始直後から急落、一時1000円以上も下げて8000円を割り込む寸前でした。大阪、東京の両証券市場では、米同時多発テロ直後以来となる「取引の一時停止措置」が発動され、先物取引が停止する場面もありました。9・11並の衝撃が、世界中を襲ったことになります。そこに、老舗の大和生命保険が経営破たん。ついに、日本の金融機関が米金融危機のあおりを受けて破たんしました。

麻生総理は、「解散よりも景気回復だ」と繰り返します。メディアも「解散どころではない」という論調ですが、私は50年続いてきた「自民党支配」に慣れてしまっているせいだと考えます。

金融危機の震源地である当のアメリカを見てください。まさにいま、大統領選挙をやっているではないですか。両政党がそれぞれ選挙で経済政策をはっきりと示して、国民に選んでもらおうとしています。こういうところこそ、アメリカにならうべきでしょう。
私は、この危機をどう乗り切るかをテーマに、一刻も早い総選挙を行うべきだと考えます。各政党が経済政策を示し、議論すべきです。「経済が大変だから選挙をしない」のではなく、正々堂々と競い合って、選ばれた政権が国民が選んだ経済政策にのっとって実行すれば、国民も納得するはずです。

そもそも、自他共に認める「選挙管理内閣」である麻生内閣に、この事態に対処できる力があるとは思えません。麻生総理自身が、「冒頭解散」を決めていたと月刊誌に寄稿しているし、森元総理に「こういったら悪いですが、選挙が終わるまでですから」と幹事長就任を要請しているくらいです(「晩節を汚したくない」と断られていますが)。
麻生さん自身、「人気がある」という理由で自民党が総裁に選んだ人。世界規模の未曾有の危機に対処する能力はあるはずもないし、はじめから期待されてもいません。
それは麻生総理の代表質問を聞けば明らか。日本の経済は「全治3年」というものの、治療プランも、治療費用もまったく示されていません。「全治後」に日本がどんな経済を選ぶかも描かれていないのです。

各国の首脳が経済危機にどう立ち向かうかの智恵をふりしぼっているさなか、能天気な「総裁選巡業」を繰り返し、かんじんの経済対策ではまったく議論ができなかった自民党。
サブプライム問題では「日本に大きな影響はない」と言い切り、「個人投資家がもっと貯金で株を買えば景気はよくなる」と繰り返しキャンペーンをはり続けた自民党。
そして、このタイミングで麻生さんを総裁に選んだことが、自民党が世界状況を見通せていない最大の証拠。
政府与党は「政治空白」をつくってはならないというけれど、「政治の空白」は福田前総理が政権を投げ出す前からとっくに生まれています。それを埋めるのは選挙しかないのです。

今月に入ってから、労働現場では非正規労働者の切り捨てがどんどん進み、「売り手市場」といわれた新卒採用も急激に減少しています。
この緊急事態、どのような財政出動をするかが問われています。アメリカのように70兆円を出して、これまでボロもうけしてきたウォール街の住人を救うようなことをするのでなく、貧しい人に直接行き渡る財政出動、地域の雇用や経済のカナメである中小企業を救うための財政出動に徹底すべき。

そしていまアメリカが、アフガニスタンの戦費の一部として「5年間で最大200億ドルの分担を日本に期待する」という意向を伝えてきています。私はこのニュースを聞いて、ますます早急な解散総選挙が必要だと感じました。
麻生さん、無責任にアメリカの要求を受けないでください。200億ドル=2兆円あれば、中小企業への貸付枠の拡大と税制優遇、失業保険がもらえない非正規労働者への生活保障、低所得者への消費税還付など、いまもっとも苦しい人たちをサポートすることができるのです。
大企業や金融機関だけを救う経済対策か、地域自律・内需拡大・雇用促進につながる経済対策か。あなたの役割は、解散総選挙で民意を問うことです。


ここからローカルナビゲーションです。

辻元清美ブログ


このページの上へ