三浦元社長:移送先ロスの留置場で自殺

ロサンゼルス国際空港に到着した三浦和義元社長=2008年10月10日(代表撮影)
ロサンゼルス国際空港に到着した三浦和義元社長=2008年10月10日(代表撮影)

 【ロサンゼルス吉富裕倫】米ロサンゼルスの日本総領事館によると、81年のロス銃撃事件で殺人と共謀容疑でロサンゼルス市警に逮捕された元輸入雑貨販売会社社長、三浦和義容疑者(61)=日本では無罪確定=が10日夜(日本時間11日午後)、首吊り自殺を図り、死亡が確認された。

 三浦元社長は10日朝、米自治領サイパンから「因縁の地」ロサンゼルスへ身柄を移送されたばかりだった。元社長の死で、ロス市警との対決は第2幕に入ることなく、真相も究明されないまま終えることになる。

 同市警から連絡を受けた総領事館によると、三浦元社長は10日午後9時45分(同11日午後1時45分)ごろ、市警本部の留置場でTシャツで首をつっているのを係官に発見され、病院へ運ばれ死亡が確認された。同市警は11日朝に会見を開き、発表する予定だという。

 三浦元社長は、81年にロサンゼルスで当時の妻、一美さん(当時28歳)を銃撃させ死なせたとして日米両捜査当局に殺人容疑などで捜査され、日本では03年に無罪が確定した。しかし2月、米自治領サイパンへ旅行した際、ロサンゼルス市警が88年に取っていた殺人と共謀容疑の逮捕状で逮捕された。

 日本で無罪が確定していたことから、同じ事件で再び罪に問うことを禁じる一事不再理を主張し、サイパンで人身保護請求を申し立てが、棄却。ロサンゼルス郡地裁も9月、殺人容疑の逮捕状は無効としながら、殺人の共謀罪での訴追続行は認めたため、今月14日に容疑事実の認否などのため地裁に出廷する予定だった。

 三浦元社長は10日午前、市警から総領事館へ電話し面会を要請。留置場で会った領事に対し「元気だ」と伝えていた。

毎日新聞 2008年10月11日 19時07分(最終更新 10月11日 19時38分)

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