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電通の単月売上高前年対比83.0%!お寒い広告業界に、喝っ!

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役社長
中村 修治/販売/マーケティング
3.7
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2008年10月10日 11:43

広告代理店最大手の電通が、先日、9月単月度の売上高を発表した。
それによると全社売上は1307億9000万円となり、前年同月比で83.0%の値にとどまっている。広告業界全体に景気が悪いと言われていたが。あの電通が、ここまで悪いとは、正直ショックだ。北京オリンピック効果の後だから・・・と、言い訳しても・・・惨憺たる結果だ。

既存四大メディアとされる新聞・雑誌・ラジオ・テレビいずれも-8~-15%ほどの規模縮小。一方で、インタラクティブメディアやOOHメディア(Out of Homeメディアのことで、交通広告や屋外広告)などが伸びるなど、確実に潮目が変わったのがわかる。発表資料

マス広告の経費削減は、
効果の見えずらいものに経費を使うほど、
「うちは悠長ではありません」というクライアント側のメッセージである。
言い換えると・・・もっと智恵を出せという叱咤だ。

効果を出すために必要なことは・・・
商品や企業の魅力=差異のポイントを
一番近道で、一番欲しいと感じるだろうユーザーに伝えることだ。
要するに、マーケティングの再点検を求められていると言っていい。

では、インタラクティブメディアやOOHを、マスメディアと上手に連携させる手法を提案できたら、それで広告業界は、この不況を乗り切れるか・・・と、言ったら・・・否だっ。


そんな小手先のマーケティング論で乗り切れるほど、今回の大きな潮目は、甘くないような気がする。私も含めた広告に携わる者達の「虚業」意識に、大きなシフトが起こらないと、この環境変化に最適化するのは、困難な気がする。


「虚業」のままでいると、
商品や企業の表層だけを見て差別化を創造しようとする。
そうすると、広告主導で培われたブランドは、虚構のものになっていく。
表層的な戦術話し繰り返しても、それは、虚構のものであって・・・
「実業」に永続的に効果をもたらすものにはならない。

そういう現実を、
クライアントも、ユーザーも、みんな肌でわかってきたのが現在であり・・・
「実業」の人達は、
「虚業」の人間の言うことをあまり信用していないという訣別が、
ハッキリと起こり出しているのだと受け止めた方が良い。


最近、福岡の美容業界のオーナー達と話す機会が多くある。
そこで出てくる話は、傾聴に値するものがある。
毎日、何百人の顧客と接し、何十人もの従業員を使っている。
その「実業」の現場から出てくる意見は、際だっている。
どこよりも早くインタラクティブメディアを活用しているし、
当たり前のようにOOHもクロスさせている。
遅れているのは、
私達・広告業界=虚業の連中だということがハッキリ良くわかる。
これからは、マスマーケティングではなく、
エリアマーケティングの時代だということが良くわかる。