2008年10月10日 21時2分更新
容疑者が起訴される前に国の費用で弁護士をつける制度をめぐって、岡山弁護士会に所属する弁護士が容疑者との面会回数を実際よりも多く報告して、弁護士費用を30万円あまり水増しして受け取っていたことがわかりました。
起訴される前の殺人などの重大事件の容疑者に国が弁護士をつける制度は2年前から始まったもので、弁護士報酬は、日本司法支援センター、いわゆる「法テラス」から弁護士に支払われます。
岡山弁護士会などによりますと、弁護士会に所属する黒瀬文平弁護士は、去年3月からことし5月までに受けた7件の刑事事件について、容疑者との面会回数が実際は24回だったにも関わらず、47回と報告して弁護士費用を水増しして請求し、30万円あまり多く受け取っていたということです。
面会の回数が通常よりも多いことを不審に思った法テラスが面会者の記録などを取り寄せて確認した結果、水増し請求が分かったということです。
岡山弁護士会では、黒瀬弁護士について、2年間にわたって国選弁護士への推薦の停止を決めたほか、懲戒処分も検討しているということです。
黒瀬弁護士は弁護士会の調査に対し、「報告書の記載に誤りがあったことは認めるが、故意にやったわけではない」と話しているということです。
岡山弁護士会の秋山義信会長は「市民の弁護士に寄せる信頼や、法テラスと弁護士との信頼関係を失いかねない行為で大変遺憾である」と話しています。