家族が亡くなるということは,本当に大変なこと。
亡くなる家族が自分の親であっても,自分のこどもであっても,配偶者であっても。
「大変なこと」と書いたけれど,実体験に基づくことじゃないので本当の大変さはわからない,という表現が正しいかもしれないけれど。
まだ高校生なのに,お母さんを亡くしてしまった女の子を外来で担当させていただくことになりました。
経済的なことはお父さんが支えてくれるし,高校・大学と学業を諦めなくてはならない,という状況にまではならずに済みそうだけど,だんだん高校への登校自体が負担になってきていて。
本格的に不登校になるかも,とか,このままだと単位を落としてしまうかも,と心配した学校の先生が紹介して受診につなげてくださったのですが。
学校の先生のご心配もとてもよくわかるし,
受診につなげてくださったことにもとっても感謝していますが,
留年を心配するあまり,あまり彼女を追い詰めないで,そっとしておいていただけたら嬉しいのに,と思ってしまいました。
とても仲のよかったお母さんを突然亡くして,でも悲しむ間もなく家族のなかで「母親代わり」のポジションを当然のように引き受けることになって。
弟たちの面倒をみながら,一切の家事もこなしながら,悲しみを表す機会もなく,勉強もきちんとする…,
そんな生活がもし高校生のときの私自身に降りかかっていたとしたら,私は果たしてすべてをちゃんとこなせていただろうか?
…「絶対に無理」だったと思います。かなり自信を持って,そう言えます。
少しでも彼女の負担を減らしてあげたいし,彼女が悲しみやしんどさを誰かに話したくてそれで楽になれるというのならぜひ話してほしい。
少々学校を休みがちでも,試験勉強に集中できなかったりその時間が十分取れなかったりしても,そんなの仕方ないじゃん,って思ってしまう。
こんな大変な状況のなかで気丈にがんばる彼女に,これ以上「○○をがんばってほしい」「がんばらなきゃいけない」なんて到底言えそうにありません。
どうか,先生方をはじめまわりのおとなたちもあまり「留年するぞ留年するぞ」と脅して出席を促したりないで,日常生活の大変さをねぎらってあげたり,しっかり心身を休ませられる環境を整えてあげてほしいな,と思います。
せっかく受診してくださったのだから,せめて私にできそうなこと…まわりのおとなたちに彼女が心身を少しでも休めながら過ごせるような環境作りをお願いすること…をまずやっていきたいなぁ,と考えています。
ちいさなママのお役に少しでもたてますように…。

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