麻生首相は10日夜、株価暴落を受け、企業が発行した株式を自ら買い戻す「自社株買い」の規制を年内に限り撤廃する方針を示した。すでに金融庁に指示しており、内閣府令を改正したうえで14日から実施する予定だ。
自社株買いは、株価上昇を狙う相場操縦などを防止するため、買い付け数量や買い付け時間が制限されている。日経平均株価が8000円割れした03年3月にも3カ月間撤廃されたことがある。
首相は10日、記者団に対し、現在の株式相場について「常軌を逸しているような下がり方だ」と語り、規制の一時撤廃を明らかにした。
また、首相は金融危機への対応を協議するための主要国首脳会議(G8)について「必要があれば、日本として主催する用意がある」と述べ、G7の結果をみたうえで判断する意向を示した。「G8に限る必要はないのかもしれない」として、ブラジルや中国など新興経済国に参加を呼びかける可能性も示唆した。