愛媛県警の不正経理を内部告発する記者会見の中止を求められたり、告発直後に報復人事を受けたりしたとして、県警巡査部長の仙波敏郎さん(59)が県に100万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審で、高松高裁(矢延正平裁判長)は30日、請求全額の支払いを命じた一審・松山地裁判決を支持し、県の控訴を棄却した。
一審判決によると、仙波さんは73〜91年ごろ、異動ごとに上司から偽の領収書の作成を指示されたが拒み続け、05年1月20日の県内で記者会見し不正経理を内部告発した。1週間後の同月27日、県警は仙波さんを鉄道警察隊から通信指令室の新設ポストに配置換えした。
こうしたことから、仙波さんは05年2月、県警が記者会見中止を求めたり、告発後に異動させたりしたことなどを違法として松山地裁に提訴。07年9月の同地裁の一審判決は、仙波さんの訴えをほぼ全面的に認め、県が控訴していた。