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【社会】

日本の教育に危機感 小林、益川氏が会見

2008年10月10日 夕刊

記者会見するノーベル物理学賞を受賞した小林誠さん(右)と益川敏英さん=10日午前、東京都千代田区で

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 ノーベル物理学賞の共同受賞が決まった小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64)と、益川敏英・京都産業大教授(68)が10日午前、東京都千代田区の日本学術振興会で会見した。

 受賞発表から一夜明けた8日の会見で涙を見せた益川さんは「雲の上の大先輩である南部(陽一郎)先生と3人で受賞できたことがうれしく、涙腺がゆるんだ。はしたなかった」と切り出した。

 日本人の受賞ラッシュについては「いずれも2、30年も前の仕事が評価された。大学入試の多くはマークシート方式になったが、これでは生徒がいろいろ考えなくなる。将来の科学はどうなるか。今、受賞が続いたからバンザイでは困る。みなさん、よく考えてほしい」。小林さんも「大学の評価についても客観性を重んじ過ぎ、形式的になっている。一面的な評価は、大学教育をゆがめる可能性がある」と話し、そろって日本の教育環境に危機感を表した。

 家族への思いを聞かれると、益川さんは「妻に感謝している。名古屋大の研究補助員のような仕事をしていたから研究者の生態をよく知っている」と答えたのに対し、小林さんは「賞の対象となった論文は結婚前なので妻とは関係ないが、感謝していないとは答えられないでしょうね」と恥ずかしそうに話した。

 

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