引きこもりや不登校の人たちが寄宿した京都府京丹波町のフリースクール「丹波ナチュラルスクール」で入所者が暴行され、けがをした事件で、京都府警は30日、経営者の江波戸聖烈(えばと・せいれつ)容疑者(60)=9日に傷害容疑で逮捕=と責任者の森下美津枝容疑者(55)=同=の2人を逮捕監禁と監禁の疑いで再逮捕する方針を固めた。また、監禁などの容疑で8人の逮捕状を取り、うち江波戸容疑者の親類ら数人を逮捕した。府警は全容解明のため30日午後、南丹署に捜査本部を設置する。
逮捕されたのは、江波戸容疑者の長女の仁丹真理子容疑者(40)と夫の公広容疑者(41)、次女でコンビニエンスストア経営の山本淑子容疑者(36)ら。府警は30日朝、入所者を施設に連れてくるのに使ったとされる公広容疑者の乗用車を押収した。ほかに数人が任意で事情を聴かれるなどしており、合計で十数人が関与を疑われている。
府警捜査1課と南丹署によると、江波戸容疑者らは保護者から入所申し込みのあった少年・少女らを自宅などから施設に連れてくる際、共謀して手錠をはめるなどしたうえで車で連れ去り、施設に監禁した疑いが持たれている。
また、8月中旬に女性入所者3人が施設から逃走した後、ほかの入所者の逃走を防ぐために寄宿舎の入り口外側に複数の鍵を増設。入所者を閉じ込めた疑いがあるという。
府警や入所していた人たちなどによると、江波戸容疑者らは入所者を施設に連れてくる際、就寝中を見計らうなどしたうえ、3〜5人一組で抵抗を封じ、乗用車に連れ込んだ。保護者には「手荒なことをすることがある」などと説明していたが、手錠を使うことは明かさなかった。