【ワシントン小松健一】米中東軍司令官に10月末に就任するペトレアス前イラク駐留米軍司令官は8日、ワシントン市内で講演し、アフガニスタン政府とイスラム原理主義勢力タリバンとの和解交渉について、「アフガン政府との和解を望む者たちがいるのであれば、交渉は前向きのステップとなるだろう」と述べ、アフガンの治安悪化を食い止める方策として強い期待を示した。
イラクとアフガンでのテロとの戦いを指揮することになるペトレアス氏が、和解交渉への支持を事実上表明したことで、アフガンに派兵している米国や北大西洋条約機構(NATO)の対テロ戦略にも影響を与えそうだ。
ペトレアス氏は交渉の状況を整え、交渉相手や目的を明確にするのであれば「敵との対話も必要になる」と指摘した。そのうえで「(アフガンの)カルザイ大統領がサウジアラビアに交渉の仲介を依頼した」と明言。それを受けてアフガン国内で「いくつかの活動が出ている」と述べ、和解交渉が継続していることを明らかにした。
毎日新聞 2008年10月9日 22時01分