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暮らし

マンナンライフ「蒟蒻畑」の製造継続を望む こんにゃくゼリーの危険は自己責任では?

早川健2008/10/09
幼児がこんにゃくゼリー「蒟蒻畑」を喉に詰まらせ亡くなった事故を受けて野田消費者行政担当相は製造元のマンナンライフに改善「要請」行ったが、同社は対応が不可能として8日、製造中止を決めたという。だがこれは消費者の自己責任の問題で、事業者にとっては過酷なものだったと思う。餅を詰まらせて亡くなる人は毎年出るが、誰も禁止しようなどとは言わない。それと同じである。
日本 事故 NA_テーマ2

マンナンライフ「蒟蒻畑」の製造継続を望む こんにゃくゼリーの危険は自己責任では? | 製造中止が決まった「蒟蒻畑」シリーズのひとつ「蒟蒻畑ライト」
製造中止が決まった「蒟蒻畑」シリーズのひとつ「蒟蒻畑ライト」
 報道によれば、今年の7月に幼児がこんにゃくゼリー「蒟蒻畑」を喉に詰まらせ、9月20日に死亡した事故を受けて、野田聖子消費者行政担当相は2日、製造元である群馬県の企業マンナンライフを内閣府に呼び、再発防止策の徹底を要請した。そして8日、同社は改善対応ができないとして、「蒟蒻畑」シリーズの一時製造中止を決めたという。

 発売当時から「蒟蒻畑」のファンだった筆者は、このニュースに驚き、8日夜にマンナンライフのサイトを見ようとしたのだが、アクセスが集中してサーバーが落ちているのか、繋がらなかった(9日朝には回復)。

 筆者の記憶では、多分「蒟蒻畑」は大ブレイクした最初(少なくとも草分けとなる)のこんにゃくゼリーで、味噌田楽とか醤油煮などの、それまでの食べ方から、おやつ、デザートとしてこんにゃくの消費に新たな地平を開いた、国内生産の9割を占める群馬県のヒーローとも言える製品だ。「蒟蒻畑」の成功を受け、類似製品も多く出ていたが、味や食感は抜きんでていた。

 そのこんにゃくゼリーだが、J-CASTニュース「こんにゃくゼリーで11人死亡 外国で禁止なのになぜ放置(2007/5/24)」によると、2007年5月23日現在で、1995年以降、11人の死者を出しており、EU、韓国、米国ではゼリーへのこんにゃく使用をすでに禁止しているという。そして国民生活センターではこの記事の時点で8回の注意喚起をしていたそうだ。

 その国民生活センターのサイトを見てみると、7月の事故を受けた直近の新着記事として、「またひとり こんにゃく入りゼリーで死亡−子どもや高齢者に絶対に与えない!− (2008年9月30日)」があった。これで11回目の注意喚起となる。そして「参考:こんにゃく入りゼリーによる死亡事故一覧」によれば、1歳9ヶ月〜7歳の子どもと68〜87歳の高齢者が16例、1例だけ41歳の方の事故例が報告されていた。

餅はOKでこんにゃくゼリーはNGでは筋が通らない
 その注意喚起は当然と思う。(そんな例は聞かないが)例えば、老人ホームや保育園で給食のメニューに入っていたとでもいうのであれば、そこから外すのは必要な処置であろうし、その徹底のために行政が指導することも良いだろう。

 だがちょっと待って欲しい。正月などに高齢者などが餅をのどに詰まらせて亡くなる事故は、毎年のようにあるが、餅の粘度に制限を設けるとか、販売を禁止するなどといった例は聞かない。こんにゃくゼリーを喉に詰まらせて亡くなるのは痛ましい事故ではあるが、個人的消費のなかで起こったことであれば、これは餅と同じで、不幸な事故、自己責任の範囲なのではないか?「口の中で崩れにくく、のどに詰まりやすいというリスクがある」以外に理由がないのであれば、餅を禁止せずに、こんにゃくゼリーを禁止するのは、筋が通らない。

 また自動車は便利であるが、近年は減ったとはいえ、2007年には自動車事故で5,744人もの死者が出ている(警察庁)にもかかわらず、自動車を禁止しようなどという話は聞かない。餅については、詰まらせる危険があるのは常識であり、自動車に関しては、社会や利用者の総合的コストと利益を勘案して、危険はあっても、使うのをやめることは今のところはできないという社会的合意が、何となくできているといったところだろうか。

 こうしたことからすると、どうも、こんにゃくゼリー『だけ』が不当に厳しい目で見られてきて、ついには製造中止に追い込まれてしまったようにも見えるのだが、いかがだろうか。食べるか食べないかは、自己責任に任せるべきなのではないか?

 同じようなことを考える人は多いようで、「こんにゃく 自己責任」でGoogleブログ検索をかけると、9日午前8時現在で618件がヒットした。「マンナンライフ 製造中止」では、2,938件だ。いかに関心が高いかがわかる。目についたものをいくつか紹介すると、

 「私はゆるいゼリーが嫌いなので、蒟蒻畑は自分で購入する唯一のゼリーでした。 〜(中略)〜 お餅は詰まって亡くなる方がいても規制されないですよね。」
(雑感記録簿)

 「同じ喉に詰まる食べ物ならば「お餅」はどうなの?ということになります。お年寄りや子供がお餅を喉に詰まらせて亡くなったという事件はときどき聞きます。そんなとき、お餅をつくっているメーカー、和菓子屋さんは責任を問われるでしょうか? 〜(中略)〜 そんな話は聞いたことがありませんね。」
(消費者の自己責任は:Reclaim the Earth!日記)

 「毎年何人かのお年よりがお正月に御餅を喉に詰まらせて亡くなってたりするけれど、餅は市場からなくなったりしないじゃーん。ふぐの毒に当たって亡くなる人だっているけれど、ふぐに毒があることを承知でみんなふぐを食べるじゃん。そこは、食べるのも食べさせるのも自己責任ってことなんじゃないの?」
(蒟蒻ゼリー愛好家の憂い:Je pense, donc je suis.―JOLLYの徒然日記―)

 などの発言が見られた。筆者同様、ゆるゆるで、口の中ですぐ崩れる他社製品ではなく、ぷるるんとしっかりした弾力がある「蒟蒻畑」ファンの多くは、同様の意見を持っているようだが、もちろんファンだからというだけで擁護しているわけではないことが、おわかりいただけるだろう。

 さて、ファンとしては亡くなる前に入手しておこうと8日晩、都内スーパーに赴いたのだが、数件廻っても、どこにも置いていない。まさか日本的「ことなかれ」で、自主的に店頭から回収されてしまったのかと心配になり9日、電話で問い合わせてみた。すると、

 「全店で、現在売り場にある商品も撤去する方針。」(西友)

 「来週いっぱいは販売するが、それ以降は代替品を販売する。該当商品を撤去するかどうかの方針は未定」(サミットストア)

 という答えであった。過敏になって即日撤去したというわけではないらしい。もともと近年は少なかったし、たまたま無かっただけのようだ。

過度の消費者「保護」は無用
 「猫を電子レンジに入れるな」という注意書きは都市伝説のようだが、米国では自分の不勉強というより非常識さが原因で自業自得的に受けた被害を理由に、言いがかり的に企業を訴えるということは多く行われているようだ。例えば「マクドナルドばかりを食べて太った」その責任を取れといったもの(さすがに棄却された模様)。消費者の保護や企業の無責任の追求は必要だが、こうしたことが平然と行われると、自己の非常識を製造物責任に転嫁する、バカな消費者ばかりの社会になってしまう懸念があるのではないかと感じる。

 さらに日本の場合は、消費者庁のような「お上」や国民生活センターのような「権威」に無批判で(両者の存在が悪いと言いたいのではない、個人の自立心の不足を問題にしている)、消費にのみ忠実な人々の社会になってしまうのではないか(もうなっているのではないか)と心配にもなる。

 もちろん自己責任論で、消費者保護を顧みないなんていうのは論外だ。だが今回の野田聖子消費者行政担当相の「要請」は明らかに、消費者に対しては過保護であり、事業者にとっては過酷なものだったと思う。

 こうしたいかにも日本的な「ことなかれ」指導をするようでは、消費者庁にも期待できないし、賢い消費者、自立した個人は生まれないだろう。まあ自立した個人が少ないというのは、現代日本社会のより深刻な悩みではあろうが。
◇ ◇ ◇

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[38079] 生活とリスク、人口動態統計、嚥下障害
名前:滝本壽
日時:2008/10/10 19:52
 奥村信一郎さんの参照した
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081001_chissoku/
 データですが、あくまでもある年の1年分のデータなので、取り扱いには留意が必要だと思います。

 10歳未満の子や、ある程度の高齢者には嚥下障害はかなり留意すべきなので、介護を受けている人は、潜在的に、嚥下障害による窒息死の危険にさらされていることは、まず、間違いないでしょう。だから注意は必要です。

 日本の生活安全の現状では、まずは消費者や生活者に、生活安全情報を周知徹底するのが先決で、防犯情報ばかりが浸透している日本の現状で、自己責任を云々するのは、どうかと思います。

 ちなみに、これも、あくまでもある年の1年分のデータなので、取り扱いには留意が必要ですが、さしあたって『生活とリスク』(奈良由美子)によれば、人口動態統計の2001年によれば、不慮の事故による死因は、 1・自殺 2・交通事故 3・窒息 4・転倒、転落 5・溺死、溺水 6・他殺 となっています。この1〜6の順は、だいたい例年そのようですが、ひろく人々の知るところとなっていません。日本では、他殺される人より、水の事故や窒息、あるいは自殺で亡くなる人の方が多いのです。しかし報道の量は、圧倒的に他殺が多いです。そこから人々の、まちがった生活安全感が形成されます。

 窒息死する人は、年に、だいたい、他殺で亡くなる方の約10倍はいるんですよね。日本の商業マスコミが、各警察署単位で配置している記者さんを都道府県庁単位に集約し、各警察署 → 各保健所に記者を移動するだけで、こんにゃくゼリーなど、消費生活の危険を知らない人は、だいぶ減るような気がします。
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[38060] ちょっと気になったのですが
名前:紅下和樹
日時:2008/10/09 22:28
流動食で窒息死が起きているということは、介護中の人などに多いと考えられそうです。総数だけでなく、死亡の状況別の統計も見たいですね。健常者がおかゆを喉に詰まらせるとは考えにくいと思うのです。
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[38058] のどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10
名前:奥村信一郎
日時:2008/10/09 20:49
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081001_chissoku/

2006年1月1日からの1年間、消防本部および救命救急センターを対象として事故事例を調べたもの。

1位:もち(168例)

2位:パン(90例)

3位:ご飯(89例)

4位:すし(41例)

5位:あめ(28例)

6位:だんご(23例)

7位:おかゆ(22例)

8位:流動食(21例)

9位:カップ入りゼリー(11例)

10位:ゼリー&しらたき(それぞれ4例)
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[38053] 「餅も自動車ももっと規制すべき」というだけのことではないでしょうか
名前:佐藤折耶
日時:2008/10/09 19:41
規制の合理性は、結局はリスクと社会的有用性の天秤で決まっているように思います。


まず事実として、現状ではこんにゃくゼリーが存在する限り一定の死者がでることが避けがたいことは明白なように思います。こんにゃくゼリーがなければそのような死者は確実に防げます。社会的有用性がそれほど高いとも思えません。


おそらくこの場合の「自己責任論」とは、「こんにゃくゼリーの事故は子どもなど危険が高いグループに属する者に与えなければ防げるのだから、その注意を怠った人が悪いだけで、そんな人の身内は死んでも仕方がない」ということになろうかと思います。が、私はとてもそんな風には思えないのです。


こんにゃくゼリーが食べれない方の不満はわかります。しかし「蒟蒻畑」ファンの方々の不満は、そのような命を犠牲にしてまで満たさなければならないものかは、私にはとても疑問です。


****


餅については、今回のことで、私の家では餅もやめることにしました。餅好きの高齢者がいますが、命には代え難いからです。餅も、もっと危険を積極的に知らしめるべき食品だろうと思います。


その意味では、社会的有用性が高い自動車についても、もっともっと安全性が追求されるべきでしょう。今回の事態は、そのことを認識させてくれたように思います。
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[38051] ‥‥そんなに有名じゃなかったみたいです
名前:滝本壽
日時:2008/10/09 18:45
 こういう記事や、ブログ
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081001_chissoku/
 などを通じて、「65歳以上の老人と1歳〜4歳の乳幼児にもち・パン・ご飯・すし・あめ・だんご・おかゆ・流動食・カップ入りゼリー・ゼリー・しらたきを食べさせると窒息死する可能性が高い」(上記ブログより)ことが知れていくことはとても良いことだと思います。(僕個人としては、10歳くらいまで危ないと思いますが)


 でも、世の中のブロガーの反応を見ていると、どうも野田大臣の今度の行動を通じて、こんにゃくゼリーは喉に詰まらせやすい、ということを初めて知った人の方が多いみたいです。私も最初は、御厨さんのような感想だったのですが‥‥。消費者庁ができたら、まずはじめに、「こんにゃくゼリーの危険は知られているか」「一酸化炭素中毒の危険はひろく知られているか」「漂白剤は混ぜても大丈夫かを知っているか」などなど、消費者はどれだけ危険を知っているのか、実態調査をした方がいいのかもしれません。
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[38047] こんにゃくゼリーは喉に詰まらせやすいというのは有名なのでは
名前:御厨一葉
日時:2008/10/09 15:00
こんにゃくゼリーは以前から喉に詰まらせるという事件がテレビで報道され、その度に形や大きさが改良されていったと思うのですが。そして形が大きくなっても更に大きな子供が食べて詰まらせてしまう、という繰り返しになっていたはずです。
やっぱりゼリーということで特にこどもが食べたがる、それプラス大人の無知で手軽に与えられるので事故が起こるということでしょう。
個人的にあまりこんにゃくゼリーには消えて欲しくなかったですが、どうしてもこんなことが起こるのなら、会社側としてもマイナスイメージになるし、うっかりな人々を守るためやめざるを得ないのでしょうね。
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[38045] 食べるのは自己責任 事故は製造物責任 ゼリーらしくないゼリー
名前:滝本壽
日時:2008/10/09 12:33
 消費者保護の行き過ぎを懸念する、記事筆者の気持ちもわからなくないのですが、こと、こんにゃくゼリーについては、長年、この問題を放置してきたマンナンライフと国の責任は大きいと思います。喉につまらせやすい、ということでよく餅との比較が話題になりますが、「餅は喉に詰まらせやすい」と多くの人は知っていますが、こんにゃくゼリーはまだ新しい商品なので、「ゼリーの中には喉に詰まり易い物がある」ということは、多くの人がまだ知りません。ゼリーらしくないゼリー、というところが大問題だと思います。


 最終的に、こんにゃくゼリーは、外袋だけでなく、個別包装に「喉に詰まらせやすい」と警告するしかないと思います。記事筆者は「行き過ぎ」と思うでしょうが、喉に詰まらせやすいゼリーなんて、昔はなかったからです。こんにゃくゼリーのように、あらたな利便性をもたらす反面、以前は無かった危険をもたらす商品は少なくないので、メーカーの製造物責任は大きいと思います。
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