2008年10月09日

海難事故

海難事故:水産高練習船が漁船と衝突、2人軽傷 鳥取

わかしまねに衝突した第22事代丸。船首付近に衝突の跡が残る=鳥取県境港市で2008年10月9日午前0時34分、小川昌宏撮影
わかしまねに衝突した第22事代丸。船首付近に衝突の跡が残る=鳥取県境港市で2008年10月9日午前0時34分、 小川昌宏撮影

 8日午後6時45分ごろ、鳥取県境港市の境港防波堤灯台沖約100メートルで、島根県教育庁所有の練習船「わかしまね」 (195トン、山本克己船長)と、漁業協同組合「JFしまね」西郷支所(島根県隠岐の島町)所属の漁船「第22事代(ことしろ)丸」 (222トン、花房光男船長)が衝突、練習船は約45分後に沈没した。 練習船には島根県立隠岐水産高校2年生の男子生徒13人と教員2人、乗組員10人の計25人が乗船していたが、全員漁船に救助された。 うち生徒(17)と乗組員(37)の2人が肩やひざに軽傷。漁船の乗組員5人にけがはない模様。

 境海上保安部などによると、練習船は9月29日〜今月9日の日程でイカ釣り実習中。当時、水揚げのため境港に戻る途中で、 漁船は巻き網漁に向かっていた。練習船の右舷と漁船の船首が衝突しており、保安部は業務上過失往来危険容疑で関係者から事情を聴く方針。

 同夜、保安部で記者会見した大谷一雄教諭(52)と杉本孝明講師(59)によると、 接岸準備を終えた生徒がライフジャケットを着て、甲板に整列しようとしていたところ、 ドーンという大きな音とともに強い衝撃に突き上げられて、数人が転倒。警笛などは聞こえなかったという。

 間もなく船体が右に傾き始め、救命ボートに1人ずつ飛び乗った。漁船までは約40メートル。生徒らはロープをたぐって、 乗り移った。ボートは1往復半して全員が救助され、生徒たちは「よかったなあ」などと声を掛け合ったという。大谷教諭は 「時間はどれぐらいたったか覚えていない。子どもの心のケアをしなければ」と話した。

 衝突の瞬間を見た生徒は「気付いたら、漁船がすごく近くに迫っていて怖かった」。後部甲板にいた乗組員、福山大貴さん(19) は「『ぶつかるぞ』という声がした直後、衝撃で前に倒れた。最後に救命ボートに乗り込んだが、既に浸水して傾いており、 海に落ちるかと思って焦った。10〜15分ぐらいで沈没した」と語った。

 境港に入港した漁船は、船首右舷の甲板フェンスが壊れ、船体にも大きくへこんだ傷があった。生徒らは同夜、 松江市美保関町の旅館に泊まった。

 現場は日本海と中海を結び、幅300メートルほどの海域が約6キロ続く境水道の入り口付近。

 わかしまねは全長41メートル、定員34人。島根県立隠岐水産、浜田水産両高校の漁業、機関乗船実習、 海洋観測などに使用されている。

毎日新聞より

posted by みんと at 11:09| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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