ニュース: 生活 RSS feed
家の前から乗車 オンデマンド電気バス発車オーライ
このニュースのトピックス:温暖化
家の前で午後3時に乗車します−。乗り降りの場所、時間が自由に予約ができる乗り合いバスの実験が今秋、大阪・堺市内で行われることが決まった。コンピューターで運行計画を作成、管理する“オンデマンドバス”と呼ばれるシステムで、全国ではじめて、環境に優しい電気バスを導入した実験になる。
10月15日から11月14日の1カ月間、堺市堺区の約450ヘクタール、人口約3万2000人の市街地で、オンデマンドバス2台を実験する。
システムは東京大学が開発。乗客が電話やパソコンで希望する乗降地、時間などをオペレーターに伝えて予約する。予約内容に基づいた運行計画が自動作成され、バスに搭載したナビゲーションに運行ルートを表示する。運転手は、それに沿ってバスを走らせる。
地元住民らでつくる「堺市都心地域温暖化対策地域協議会」(角山榮会長)が、環境省が募集した二酸化炭素削減を図る「低炭素地域づくり面的対策推進事業」に応募。計画が採択され、実験が決まった。
同協議会には、地元の商店主らで構成する「自由都市堺・町衆会議」をはじめ、堺市、関西電力、南海バス、東大、早稲田大、府立大などが参加。中世に貿易などで栄え、古い街並みが残る堺には、堀を囲んだ環濠(かんごう)があり、その内側を中心に新しいバスシステムを実験することを提案した。
実験では、早大が実証中の小型バッテリーを搭載した電気バスを使う。乗客定員13人のマイクロバスで、充電1回で約30キロの走行が可能。狭い道路に進入できる大きさで、お年寄りの通院などにも活用が期待される。実験中は乗車無料。
コンピューター化されたオンデマンドバスの社会実験は、これまで千葉県などで実施されたが、電気バスの導入は初めてという。