宗教法人「顕正(けんしょう)会」の会員が勧誘で大学生に無理やり入会届を書かせた疑いがあるとして、熊本県警は10日午前、さいたま市大宮区の同会本部会館と鹿児島県霧島市の男性会員宅を、強要容疑で家宅捜索した。全国各地の警察には会員による勧誘をめぐる相談が相次いでいるという。
10日朝、さいたま市の本部会館には、埼玉県警の応援を受けた熊本県警の捜査員計三十数人、霧島市の男性会員宅には熊本県警の捜査員数人が捜索に訪れた。門前では同会関係者とみられる男性が、参拝に訪れた人たちに「午前中は無理なんです」と説明。報道陣がカメラを構えると、関係者数人が段ボールの板を構えるなどして撮影を拒んだ。
熊本県警は9月30日、いずれも熊本県宇城市の会員の山下幸一郎(36)と岡村治(22)の両容疑者を強要容疑で逮捕。2人が「入会届は霧島市の男性会員宅を経由して本部に送った」と供述したため家宅捜索に踏み切った、と県警は説明している。