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無年金訴訟元学生2人、敗訴確定 最高裁が請求退ける
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成人学生の国民年金加入が任意だった時期に加入せず統合失調症となり、障害基礎年金を受け取れない元学生2人が起こし、2審で勝訴と敗訴に分かれた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷は10日、請求を退けた。元学生側の敗訴が確定した。
国民年金法は、病気やけがの「初診日」が20歳未満の場合、未加入でも年金を受給できると規定。2人は「初めて診断を受けたのは成人後だが、実際は20歳前に発病していた」と、規定を柔軟に解釈して支給するよう求めたが、古田佑紀裁判長は「支給判断が客観的、画一的、公平となるように発病時ではなく、初診日を基準としており、原告らの主張は採用できない」と指摘した。
裁判官4人のうち今井功裁判官が反対意見を付けた。
学生無年金訴訟は全国9地裁に提訴。初診日規定をめぐる判断は地、高裁で分かれており、最高裁では今回が初めて。学生を強制加入の対象としなかったことが違憲かどうかという論点では、最高裁は昨年9月、合憲とする判断を示した。
原告は東京在住の48歳と40歳の男性。大学生時代の21歳と20歳のときに、統合失調症と診断されたが、障害基礎年金を受給できなかったため、社会保険庁を相手取り不支給処分の取り消しを求め提訴した。
(共同通信社)
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