こんにゃくゼリーを食べて窒息死した三重県伊勢市の小学1年、村田龍之介君(当時7歳)の両親が、メーカーと伊勢市に損害賠償を求めた訴訟が5日に和解したのを受け、龍之介君の母由佳さん(47)が名古屋市内で記者会見し「事故の悲しみは消えないが、こんにゃくゼリーの危険を多くの人が分かってくれたことは意義があった」と話した。
和解条項によると、メーカーの「エースベーカリー」(本社・小牧市)は今後、こんにゃくゼリーの新製品の開発・製造を行わず、現在、製造・販売中のソフトタイプのこんにゃくゼリーについても、窒息事故があった場合は直ちに製造を中止する。また、伊勢市は市の広報誌などでこんにゃくゼリーによる事故の再発防止を注意喚起する。
由佳さんは「ソフトタイプのこんにゃくゼリーについても製造販売中止にしてほしかったというのが本音。これからは司法ではなく行政の対応に期待したい」と語った。
原告代理人の杉浦英樹弁護士によると、こんにゃくゼリーを巡っては、韓国が01年10月から製造・輸入・流通・販売を禁止しているほか、欧州連合(EU)は03年5月、ゼリー菓子にこんにゃくを食品添加物として使用することを禁止したという。【式守克史】
事件を重く受け止め、安心と安全を最優先に消費者に喜んでいただける商品の開発を探求していく所存です。
毎日新聞 2008年9月6日 地方版