中川昭一財務・金融担当相は、米ワシントンで10日開幕する先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、金融危機に陥った新興国を支援する緊急融資制度を国際通貨基金(IMF)に創設するよう提案する。財政規模の小さい新興国が不良債権処理などのため多額の公的資金注入を迫られた場合、国そのものが財政破綻(はたん)する恐れがあるため、資金的な支援の枠組みをあらかじめ整える必要があると判断した。
日本案は金融危機対応時に限り、IMFの通常の融資枠を上回る融資を可能にする。対象は新興国に限定し、G7加盟国など先進国の支援は想定していない。IMFが緊急時に備えて積み立てている資産の一部を財源に充てる。不足した場合、日本が外貨準備からの融資を検討する。資金量が豊富な中国や中東諸国にも参加も促す。
米国発の金融危機は欧州などにも飛び火。全銀行の国有化を発表したアイスランドは自国の財源だけでは賄いきれず、ロシアに支援を求める事態に陥るなど、新興国や中小国に動揺が広がっている。【赤間清広】
毎日新聞 2008年10月10日 11時02分