Print this Post Article Lists Back

ハンナラ党代表「韓国中のドルを銀行へ差し出そう」

野党、ネットユーザーら反発

 ハンナラ党のパク・ヒテ代表は9日、「企業と国民が保有しているドルを銀行に差し出し、韓国の銀行の外貨準備高を引き上げなければならない」と述べた。

 パク代表はこの日、各メディアのインタビューに対し、「李明博(イ・ミョンバク)大統領は“ドルの買い占めをやめるように”と述べたが、さらに一歩進んで、金庫やたんすの中にあるドルを差し出すことが、愛国心の発揮につながる」として、冒頭のように述べた。また、同党所属の金映宣(キム・ヨンソン)国会政務委員長もこの日、報道資料を通じ、「ウォン安ドル高の流れを緩和するためにも、国民的な“外貨通帳づくり運動”を展開しよう」と述べ、韓国中のドルを集めることを提案した。

 だが、こうした動きはすぐに野党や一部のインターネットユーザーらの反発を招いた。政府が「外貨準備高は十分ある」と繰り返し表明しており、ハンナラ党内部でも「適正な外貨準備高の2倍に相当する2400億ドル(約23兆8800億円)を保有しているため、問題はない(任太煕〈イム・テヒ〉政策委員長)と主張してきたため、これと矛盾するというわけだ。

 民主党のユ・ウネ副スポークスマンはコメントを発表し、「崇礼門(南大門)の火災のとき、国民に対し募金を呼びかけた李大統領も、ドルの差し出しを呼びかけたハンナラ党も、どっちも厚かましい。国民はカモなのか」と非難した。また、ネット上でも「アジア通貨危機のときには金を集めて国を生き返らせたが、非正規雇用者(パート、アルバイト、契約社員など)を量産し、中産階級は没落、不動産投機しか道はなかった」(ID:カン・ユシン)「政府がやることは国民に訴えることだけなのか」(ID:イ・ビョンヨプ)といった批判的な書き込みが相次いだ。

 結局、パク代表はこの日、就任から100日目の記者懇談会の席上で、「(ドルを集めようという)国民運動を展開する考えはまったくない。国民が自分の判断でやることだ」と一歩引いた発言をした。

黄大振(ファン・デジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る