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【社説】韓国大統領が提案するも日・中から回答なし

 李明博(イ・ミョンバク)大統領は6日、「10月に北京で開かれるアジア欧州会議(ASEM)の際に、韓国と中国と日本で金融に関する首脳会合の開催を提案したい」と述べた。この内容は7日付の韓国各紙に「韓中日が金融首脳会合開催へ」という見出しで一斉に報じられた。大統領はハンナラ党のパク・ヒテ代表と会談した際に、パク代表から金融不安に対応するための3カ国首脳会合の開催について提案を受け、「いい考えだ」と語ったという。権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日韓国大使は翌8日に日本の官房長官と会い、金融首脳会合の開催問題について話し合ったようだ。しかし李大統領のこの提案に対し、日本が特別な反応を示すことはなかった。中国も「韓国で構想段階にあると聞いている」と報道官が語っただけだ。要するに実際には何の話もなかったということだ。

 首脳会談とは各国が数カ月以上かけてテーマを調整し、その上で公開するのが原則だ。現在のように急迫した状況でそれは不可能だとしても、事前に相手側と何の話し合いもなしに首脳会談を行うと発表し、それから数日が過ぎても相手側から何の反応もなかったとすれば、外国為替市場に信頼感や安心感を与えることはできない。大統領は単なる個人ではなく一国の代表だ。大統領が突然提案し、その数日後に駐日大使が実務的な対応を行うのは外交慣例上珍しいことだ。韓日両国とも、権大使と官房長官との話し合いでは首脳会談が議題に上らなかったというが、これは到底信じられない。

 李大統領が3日に提案した韓中日財務相会合についても、日本と中国は単に聞き流したのか、1週間が過ぎても特別な反応がない。今後反応があったとしても、現時点ですでに韓国のプライドは傷ついている。

 このような事態は大統領が臨機応変に対応したものだとしても、あるいは実務者からの提案であったとしても、到底あってはならないことだ。大統領が指示を行ったとすれば、外相や財務相、さらには大統領府の秘書陣が調節を行い、当事国と最低限の合意を行ってから発表すべきだった。つまり現在、そのような調整作業がしっかりと行われていないということだ。

 韓国が当事国との協議も行わないまま提案ばかりを発表すれば、「韓国の事情は大変なようだ」というメッセージを国際社会に発してしまい、これは最初の意図とは完全に逆の結果となってしまう。今この時期は、誰かが国民の信頼を受けて権威ある火消し役となる必要がある。その役割を大統領が果たすべきであることは言うまでもない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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